薬物使用による15ヵ月の出場停止処分を終えてツアーに復帰したマリア・シャラポワ(ロシア)は、自身の公式サイトで7月3日に開幕するウィンブルドン(イギリス・ロンドン/グラスコート)の本戦ワイルドカード(主催者推薦枠)の申請は行わないことを明…

 薬物使用による15ヵ月の出場停止処分を終えてツアーに復帰したマリア・シャラポワ(ロシア)は、自身の公式サイトで7月3日に開幕するウィンブルドン(イギリス・ロンドン/グラスコート)の本戦ワイルドカード(主催者推薦枠)の申請は行わないことを明かした。

「復帰後出場した3大会でランキングが上がったので、ローハンプトンで行われるウィンブルドンの予選に出場します。本戦のワイルドカードの申請はしません」と、これまで5度のグランドスラム・タイトルを獲得しているシャラポワはコメントしている。

 全仏オープンは火曜日に、元世界1位のシャラポワにワイルドカードを与えないという決断を下した。これに関してWTAは、これ以上彼女にペナルティーを科す理由がないと、シャラポワを擁護している。

 30歳シャラポワの現在のランキングは211位。今週のローマ(WTAプレミア5/クレーコート)の2回戦で左大腿部の故障を理由に途中棄権はしたが、月曜日に発表される最新ランキングでは200位以内に食い込むことが確定している。

「すでにローマでの左腿のケガの治療は始めていて、状態がよくなればすぐに練習を開始しようと思っているわ」とシャラポワはコメントしている。

 復帰後のシャラポワは、WTAツアーの3大会の本戦にワイルドカードで出場したことでランキングを上昇させ、どの大会にもエントリーできるようになった。

 シャラポワは、復帰第1戦のシュツットガルト(WTAプレミア/室内クレーコート)ではクリスティーナ・ムラデノビッチ(フランス)に敗れたものの、3試合に勝利して準決勝にまで進出した。

 マドリッド(WTAプレミア・マンダトリー/クレーコート)では1回戦でミルヤナ・ルチッチ バローニ(クロアチア)を倒し、2回戦でユージェニー・ブシャール(カナダ)に5-7 6-2 4-6で敗れた。ブシャールは、「シャラポワはうそつきで、復帰は許されるべきじゃない」と批判していた。

 世界ナンバーワンのアンディ・マレー(イギリス)、アンジェリック・ケルバー(ドイツ)をはじめとするプレーヤーたちは、シャラポワが薬物使用による出場停止処分後に大会へのフリーパスを受け取ることについて、公の場で意見を言っていた。

 シャラポワは、ウィンブルドン前哨戦の「AEGONクラシック」(WTAプレミア/イギリス・バーミンガム)からワイルドカードを受け取った。AEGONクラシックは、ウィンブルドンの2週間前の6月19日に始まる。2003年にシャラポワは、このバーミンガムの大会に予選から出場したことがあり、2004年と2005年にはタイトルを獲得している。

 ウィンブルドンの予選は6月26日から始まり、本戦に出場するには3試合に勝つ必要がある。

 シャラポワがまだ17歳だった2004年のウィンブルドンでは、決勝でセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)を圧倒し、初めてグランドスラム・タイトルを獲得した。その7年後の2011年には、ペトラ・クビトバ(チェコ)に決勝で敗れている。(C)AP(テニスマガジン)

※写真は2015年のウィンブルドンでのマリア・シャラポワ

Photo: LONDON, ENGLAND - JULY 07: Maria Sharapova of Russia during her Ladies Singles Quarter Final match against Coco Vandeweghe of the United States during day eight of the Wimbledon Lawn Tennis Championships at the All England Lawn Tennis and Croquet Club on July 7, 2015 in London, England. (Photo by Shaun Botterill/Getty Images)