フルトンとの対戦が実現した場合の展開を予想 ボクシングのWBAスーパー&WBC&IBF世界バンタム級王者・井上尚弥(大橋)は権威ある米専門誌「ザ・リング」のパウンド・フォー・パウンド(PFP)で日本人初の1位に選出された。1階級上のスーパー…

フルトンとの対戦が実現した場合の展開を予想

 ボクシングのWBAスーパー&WBC&IBF世界バンタム級王者・井上尚弥(大橋)は権威ある米専門誌「ザ・リング」のパウンド・フォー・パウンド(PFP)で日本人初の1位に選出された。1階級上のスーパーバンタム級でWBC&WBO王者に君臨するスティーブン・フルトン(米国)は、SNSで井上との対戦を熱望しているが、仮に対戦が実現した場合の試合展開について米国の有名トレーナーは「どちらが勝つか分からない」と語っている。

 井上は7日の3団体統一戦でノニト・ドネアに2回TKO勝ち。夢の4団体統一に前進した。バンタム級の残るベルトはWBO王者ポール・バトラー(英国)が保持。井上は年内の4団体統一戦の実現を希望しているが、4団体統一戦が叶わないのであればスーパーバンタム級に階級を上げることも選択肢にあると明かしている。

 スーパーバンタム級で2団体統一王者となっているフルトンは、井上と対戦を希望する旨をツイッターに記している。米ボクシング専門メディア「ボクシングシーン.com」が行った読者との恒例の質疑応答企画に、「ブレッドマン」の異名で知られる米国のトレーナー、スティーブン・エドワーズ氏が登場。井上とバトラーについて言及している。

 記事では、フルトンがWBAスーパー&IBF王者のムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)とのスーパーバンタム級4団体統一戦を視野に入れていることにも注目。仮に井上、フルトンがともに4団体統一した状態で対戦となれば、「現役の4団体統一王者同士の対決は、ベルト4本時代で初」だとエドワーズ氏は説明している。

エドワーズ氏が「イノウエにとって厳しい戦いに」と指摘する点は

 井上がバンタム級で4団体統一を果たしてもすぐに返上する可能性があるが、主要4団体時代で史上初の“異論なき王者”同士の激突も期待できると語るエドワーズ氏は、マッチアップについては「フルトンはリングに上がれば、2階級上の体格に見えるだろう。間違いなく全盛期でもある。あえて言えば、イノウエが初めて対戦する米国の洗練された黒人ファイターになるだろう。フルトンのようなパンチャースタイルの選手をイノウエは見たことが無いので、苦しむかもしれない」と持論を展開している。

「彼は世界最高のファイターかもしれない」と井上を高く評価するエドワーズ氏だが、無敵のモンスターにも死角が存在する可能性があるという。

「彼はライトフライ級からスタートした。フルトンはスーパーバンタム級から始めている。2、3インチ(約5センチから7センチ)背が高く、リーチも長く、より若く、より大きい。これはイノウエにとってかなり厳しい戦いになる。これはPFPの比較ではないのだ。PFPの話題は関係ない、実際の戦いなのだ」

 フレーム、若さというフルトンの持つアドバンテージに注目。パンチャーとしての井上の能力を紹介する一方で、フルトンの修正力とスタミナを挙げ、「誰が勝つか分からないが、見てみたい」とエドワーズ氏も興味を抱いている。(THE ANSWER編集部)