古馬牝馬による初夏の名物重賞、GIIIマーメイドS(阪神・芝2000m)が6月19日に行なわれる。 牝馬限定戦、そして…
古馬牝馬による初夏の名物重賞、GIIIマーメイドS(阪神・芝2000m)が6月19日に行なわれる。
牝馬限定戦、そしてハンデ戦ということから"荒れる"イメージが強いが、まさしくそのとおりの一戦だ。過去10年の結果を振り返ってみても、1番人気は2勝、2着1回、3着1回と今ひとつ。最近は6年連続で馬券圏外に沈んでいる。
一方で、6番人気以下の伏兵が7度も勝利を飾っており、過去10年の3連単の配当はすべて万馬券。しかもそのうち8回は、10万円超えの高配当となっている。こうした波乱続出の要因について、中日スポーツの大野英樹記者はこう語る。
「2006年からハンデ戦となり、軽ハンデの馬が何度となく波乱を起こしています。とりわけ、直近4年はそれが顕著で、2018年のアンドリエッテ(10番人気/斤量51kg)、2019年のサラス(7番人気/斤量51kg)、2020年のサマーセント(7番人気/斤量50kg)、2021年のシャムロックヒル(10番人気/斤量50kg)と、ハンデ50kg~51kgの人気薄馬が立て続けに勝利。高配当を生み出しています。
また、これらを含めて勝ち馬の多くが条件クラスの身。つまり、格上挑戦で勝っていることが、波乱傾向に一段と拍車をかけています。
翻(ひるがえ)って、重賞戦線で戦ってきたハンデ頭は過去10年でわずか1勝。1番人気も2勝と、実績馬が苦戦している歴史から、難解なバトルとなっています。それもまた、波乱の一因となっているかもしれません」
そして今年も、これといって突出した存在はいない。例年どおり、ひと筋縄ではいかない一戦と言える。「ならば、今年も軽ハンデ馬を狙うのが定石でしょう」と大野記者。格上挑戦で、ハンデ51kgで出走するステイブルアスク(牝4歳)を穴馬候補に挙げる。

マーメイドSでの大駆けが期待されるステイブルアスク
「昨年6月以来、およそ1年ぶりの芝挑戦となった前走の3勝クラス・シドニートロフィー(5月21日/中京・芝2000m)は5着に終わりましたが、スタート直後に他馬と接触。二の脚がつかず、後方からの競馬を強いられたことが響きました。
結局それが災いして、1000m通過が63秒2というスローペースながら、4角でも最後方の競馬。そこから、最後の直線では33秒3というメンバー最速の上がりをマークするも、さすがに勝ち負けに加わるまでには至りませんでした。
そういう意味では非常にもったいないレースでした。結果はともかく、久々の芝でも十分にメドの立つ内容でしたしね。
その後は、順調そのもの。1週前には栗東の坂路で、51秒6-12秒1という好時計を記録しています。
同馬を担当する矢作芳人厩舎の渋田康弘助手も、『疲れはまったくなく、ここまでいい調整ができています。ダートでも結果を残してきましたが、バネのある馬は芝も合いますから』と手応えを口にしていました。スムーズにレースを運んで、前走で見せたキレ味を再び発揮すれば、重賞でも大駆けが期待できるのではないでしょうか」
大野記者はもう1頭、気になる馬がいるという。
「2頭出しで挑む矢作厩舎のもう1頭、ラヴユーライヴ(牝5歳)です。全姉は世界的な名牝ラヴズオンリーユー。その血統背景から将来を嘱望されていた良血馬ですが、カイバの食いが悪く、体調維持に苦労したことで思うような出世ができませんでした」
それでも、一戦必勝態勢で出走を重ね、昨秋には3勝クラスを快勝。オープン入りを果たしている。斤量面は条件馬ほど恵まれていないが、ハンデ53kgなら十分にチャンスはあるはずだ。
「今回もカイ食いの不安はありますが、先週には栗東の坂路でしっかりと追われて、50秒7というタイムをマーク。体調のよさがうかがえます。
前走はGIII愛知杯(1月15日/中京・芝2000m)に挑んで12着に敗れましたが、ゲートを出る態勢が悪く、そこからかかってしまったのが敗因。今回は輸送時間が短い阪神に舞台が替わりますし、スタートを決めれば、巻き返しは可能と見ています」
今年も高配当必至の"荒れる"牝馬重賞。ここに挙げた2頭がその一端を担ってもおかしくない。