日本代表の6月シリーズが終了した。4試合を戦い、2勝2敗。星勘定は五分だが、その中には課題や収穫など、たくさんの要素が…

 日本代表の6月シリーズが終了した。4試合を戦い、2勝2敗。星勘定は五分だが、その中には課題や収穫など、たくさんの要素が詰まっていた。11月のワールドカップに向けて、この4試合をどう活かしていくのか。ベテランジャーナリストの大住良之と後藤健生が徹底的に語り合った。

東京五輪の蹉跌

――ワールドカップでも森保一監督なら、うまく選手の気持ちをマネジメントできるのではないでしょうか。

大住「森保監督にはチームをしっかり戦わせる力はあると思うけど、ちょっと徹しきれないところがあるんだよね。自分のことを非情な人間だと言うんだけどね」

後藤「最終予選のベトナム戦で、強く感じたね。今まで貢献してきた選手を使ってあげなきゃ、というのがあの試合だった」

大住「それがちょっと心配だよね」

後藤「東京オリンピックの第3戦をどうするのかで、大住さんとは大きく意見が食い違ったけど、ラウンド16で4試合目までを戦うことを考えると、メンバーを変えないといけないわけだよね。今回のチュニジア戦も遠藤航がやっぱり疲れていた。実際に4試合目でああいう試合をしてしまったということは、どこかでメンバーを変えながら戦う必要がある。それを含めて、森保監督がどこまでできるか」

大住「ブラジル大会の時の西野朗監督は、グループステージ最終戦で割り切ったからね。東京オリンピックでの森保監督は、すでに2勝していたのに、まだ勝ち抜けは決まっていないからと真面目に考えて、全力でやるんだという決断をして…」

後藤「それで疲れが出て、準々決勝ではニュージーランド相手に苦戦して、延長戦まで戦い、さらに疲れを増した。準決勝のスペイン戦でも、よく120分間戦ったよね、という話で終わり。フレッシュな選手で戦っていたら勝てたかどうかは分からないけど、僕はやはりグループステージ3戦目で選手を休ませるべきだと思ったし、実際にニュージーランド戦の苦戦を見て、絶対にそうすべきだったと考えた。3戦目でガラッとメンバーを替えるのか、グループでの3試合を通じて板倉滉をうまく使って遠藤や吉田麻也を休ませながら戦うとか、出場時間をうまく配分していくことを考えないとね。

 2戦目までに突破を決めて、3戦目に選手を休ませることができれば最高だけど、それは難しいだろうから。性格を考えれば、森保監督が西野さんみたいに3戦目でギャンブルすることはないから、論理的に出場時間を制限しながら、うまく3試合を回していくしかない。すごく難しい作業になるけど、うまくやってほしいね」

大住「選手はそろっているからね」

■日本にはいないネイマールのような存在

後藤「逆に言えば、絶対的な選手は吉田と遠藤の2人しかいないからね。ブラジル代表でのネイマールほどではないけど」」

大住「ネイマールはすごかったね。本当に自由に動き回って、昔のヨハン・クライフみたいなことをやっていたからね」

後藤「最前線にも張るし、中盤に降りてきて組み立てもするしさ。まずいと思ったらファウルもらってFKにするし。ネイマールがいなかったら、ブラジルは大変だよ。ネイマール史上最高、という存在だからね。出てきた頃は有名で人気はあったけど、2011年のコパ・アメリカで見たら、うまいけど好き勝手にやっているだけ。今のネイマールは本当にゲーム全体を素晴らしくコントロールして動かしている」

大住「本当にプレーメイカーだよね。カゼミーロたちからボールを受けて、左右にはたくふりして縦に速いパスを入れて攻撃をスピードアップさせる。短いワンツーで突破もして…」

後藤「田中碧大迫勇也伊東純也を足して3で割らないような選手だよ。今のネイマールは本当にすごい。ネイマールが封じ込められるか、ケガをしたら、ブラジルは大変なことになるだろうね」

■板倉をブラジル戦にぶつける!

――ブラジルにおけるネイマールほどではないにせよ、鍵になる選手を万全の状態で起用することが大事なるのですね。

後藤「吉田麻也と遠藤航がどこまで元気にプレーできるかに、このチームは懸かっているよね」

大住「冨安健洋と板倉滉がいれば、吉田を休ませることは考えられるよね」

後藤「吉田と遠藤が万全な状態で4戦目を迎えるために、戦力をうまく回していくんだよ」

大住「板倉は遠藤の代わりにアンカーもできそうだしね」

後藤「そう考えると、板倉は非常に重要なカードになるな」

大住「そうなると、むしろ板倉が出ずっぱりになって疲れちゃうかもしれないね(笑)」

後藤「でも、板倉が4戦目に疲れ切っていても、吉田と冨安と遠藤が元気なら大丈夫。板倉にはその次のブラジル戦で頑張ってもらえばいいんだよ」

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