ヤクルトは14日、高津臣吾監督と2024年まで新たに2年間契約延長することで合意したと発表した。今季が3年契約の最終年…
ヤクルトは14日、高津臣吾監督と2024年まで新たに2年間契約延長することで合意したと発表した。今季が3年契約の最終年だった。
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高津監督は球団を通じてコメントを発表。「非常に光栄に思います。強いスワローズをつくるために、全力を尽くして頑張ります」と決意を口にした。
6月という異例の時期の契約延長となったが、それも納得という実績を残した。就任初年度の2020年は最下位に沈んだが、まいた種が実った昨年は6年ぶりのリーグ優勝を果たし、20年ぶりの日本一まで駆け抜けた。また、今季は14勝4敗という高い勝率でパ全6球団に勝ち越す完全優勝で交流戦を制覇。ここまで2位・巨人に7ゲーム差をつけ、リーグも独走態勢に入っている。
これで2024年シーズンまで、5シーズンにわたり指揮を執ることが決まった。長期政権となる。ヤクルトで連続5年以上監督を務めるのは、9年の野村克也、7年の若松勉に次ぎ史上3人目だ。
チームも先々をにらみながら、今季の戦いにより集中することができる。様々なプラスの相乗効果を生みそうなアナウンスだった。
では他球団の監督たちの契約状況はどうなっているのだろうか。
春季キャンプ前に、これまた異例の今季限りでの退任を自ら表明したのが阪神・矢野燿大監督だ。このタイミングでの発言は多くの賛否を呼んだ。チームは開幕9連敗というまさかの滑り出し。退任発言が悪影響をもたらしたという指摘が相次いだが、チームは交流戦で12勝6敗の2位と息を吹き返した。
現在セ・リーグ4位まで浮上し、CS出場圏内の3位・広島とは2ゲーム差。退任発言の悪影響などどこへやらだ。もっとも今後は来季就任する新監督の人事も俎上に上がってくる。新たな名前が浮上するたびに、プレーする選手たちの心理にどんな影響があるのかは不透明だ。
巨人・原辰徳監督は、3年契約を満了した昨オフに新たに3年契約を結んだ。チームは若い先発投手陣を育成しながら、ここまでリーグ2位をキープ。大きな失速などない限り、来年もそのままユニホームに袖を通すことになりそうだ。
DeNA・三浦大輔監督は今季2年契約の2年目。進退を懸けた大事なシーズンは、ここまでリーグ5位と波に乗れていない。もっとも開幕直後に大型連敗でこけたまま最下位に沈んだ昨季と異なり、今季の戦いぶりには希望を抱くファンも少なくない。来季へある程度の希望を抱かせることができれば、単年での契約延長はありそうな気配か。
就任初年度の立浪和義監督は、3年契約の1年目。チームは交流戦終盤に失速したが、さすがに今季限りのクビは考えにくく安泰だろう。土俵際に追い込まれているのが広島・佐々岡真司監督だ。交流戦最下位で失速し、序盤は首位争いしたチームが借金2に沈んだ。阪神にまくられてAクラス入りを3年連続で逃せば、監督交代は免れまい。
パ・リーグに目を移すと、首位楽天の石井一久監督は契約年数がはっきりしていない。昨オフには複数年契約を結んでおり、その2年目を迎えると、GMを兼任する石井監督本人がアナウンスした。このまま首位争いを続ければ来季3年目の椅子は揺るがなそうだが、チームは失速気配なのは気掛かりか。
2位・ソフトバンクの藤本博史監督は契約初年度。2年契約の1年目とみられ、よほどのことがない限り来季の座は安泰だ。3位につけるが、逆にその座が危ういのが西武・辻発彦監督。昨オフに単年で契約延長し、将来の監督候補と目される松井稼頭央コーチが2軍監督から1軍ヘッドに昇格してきた。将来的な禅譲が確実視され、このオフにあってもおかしくない。
4位・オリックスの中嶋聡監督は、1年契約初年度の昨季をリーグ優勝に導き、昨オフに1年契約を延長した。今季の成績が重視されるところだが、球団は昨年に25年ぶりの優勝に導いた手腕を高く評価している。断トツの最下位にでも沈まない限り、3年目のシーズンが待っていそうだ。5位・ロッテの井口資仁監督は就任5年目で2年契約の2年目とみられる。残るシーズンの戦いぶりが今後を大きく左右しそう。最下位・日本ハムの新庄剛志監督は「1年契約」と公言しているが、今季を「トライアウト」と公言し、新球場がオープンする来季以降を見据えた戦いを重ねている。さすがに1年で退任はないだろう。
12球団の監督でも、置かれた状況は人それぞれ。背筋が冷たくなる環境に立たされ、高津監督の異例の早期契約延長をうらやましく、指をくわえて見ている指揮官は果たして。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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