試合後にドネアと話したフランプトン氏が明かす ボクシングのWBAスーパー&WBC&IBF世界バンタム級王座統一戦で井上尚弥(大橋)と再戦を行った39歳のノニト・ドネア(フィリピン)。2回TKOで敗れた不惑手前のレジェンドの進退にも注目が集ま…

試合後にドネアと話したフランプトン氏が明かす

 ボクシングのWBAスーパー&WBC&IBF世界バンタム級王座統一戦で井上尚弥(大橋)と再戦を行った39歳のノニト・ドネア(フィリピン)。2回TKOで敗れた不惑手前のレジェンドの進退にも注目が集まるが、かつてドネアを倒した元2階級制覇王者のカール・フランプトン(英国)は、試合前にフィリピンの閃光の身に起きたアクシデントを明らかにしている。

 2018年4月21日、ベルファストで行われたWBO世界フェザー級暫定王者決定戦で、ドネア相手に判定勝ちを記録したフランプトン氏。ジャッカルの異名で知られた元王者は、地元紙「ベルファスト・テレグラフ」のコラムでかつてのライバルへの思いを記している。

 井上相手に264秒でKO負けを喫したが、「イノウエのようなパンチャーを相手した場合、KOはボクシングの世界ではあり得る。短い時間だが、ノニトはシャープに見えた」と同氏は持論を展開。試合後の6月9日(英時間)にドネアとビデオ電話したと明かしており、ドネア側の大会前のアクシデントも伝えている。

「ミット打ちのトレーナーである父親が日本に行けなくなったことで、ノニトの準備は少し混乱した」。日本での直前合宿中は、別の日本人選手を担当するトレーナーがミット打ちを受けてくれたものの、試合当日は誰もミット打ちを受けられる相手がおらず。そのためドネアはミット打ちなしで当日のウォーミングアップをしなければならなかったという。

「彼はこれで少しフラストレーションを感じたと話していた。これで狂ったのかもしれない」とフランプトン氏はドネアの身に起きた不運を同情気味に伝えている。

進退については「現役続行の意思を感じた」

 ドネアとレイチェル夫人と話したというフランプトン氏は「39歳でキャリアの終わりと思うかもしれないが、私はそう思わない。現役続行の意思を感じた」とし、レジェンドはまだグローブを置かないと予想している。

 3団体統一王者となった井上は、WBO同級王者のポール・バトラー(英国)と年内に対決する可能性があるが、フランプトンは「仮にノニトがバトラー戦を手にできるなら、ボクシング界の多くの人間はノニトの勝利を支持するだろう」とバトラー相手ならドネアが勝利できる可能性を指摘している。

「私は彼を友と呼べることを誇りに思う。彼と家族がどんな決断をしようと、私は支持する。バトラー戦が実現するのなら、私は彼の勝利を後押しする」。かつての戦友にフランプトン氏は最敬礼を送っていた。(THE ANSWER編集部)