カブスの上原浩治投手は18日(日本時間19日)、本拠地でのレッズ戦で5点リードの9回無死満塁の大ピンチで登板し、1回無安打無失点2奪三振の完璧投球で今季初セーブを挙げた。■無死満塁のピンチで10球全てストライクで3人斬り カブスの上原浩治投…

カブスの上原浩治投手は18日(日本時間19日)、本拠地でのレッズ戦で5点リードの9回無死満塁の大ピンチで登板し、1回無安打無失点2奪三振の完璧投球で今季初セーブを挙げた。

■無死満塁のピンチで10球全てストライクで3人斬り

 カブスの上原浩治投手は18日(日本時間19日)、本拠地でのレッズ戦で5点リードの9回無死満塁の大ピンチで登板し、1回無安打無失点2奪三振の完璧投球で今季初セーブを挙げた。10球全てストライクの圧巻の内容だった日本人右腕は、43歳の今季もある指標で“メジャー史上最高”を継続中。地元ファンも「マジで格好良すぎです」「イェース! コウジ・ウエハラとサンドストームで勝負有り!」と興奮している。

 圧巻のピッチングだった。9回無死満塁のピンチでマウンドに立った上原は、先頭デュバルを2球連続空振りで追い込み、1球ファウルの後にスプリットで左飛。俊足ハミルトンがタッチアップして1点が入ったものの、スタンドが総立ちになる中、その後はスアレス、ターナーを2者連続3球三振で締めくくった。なんと10球全部がストライク。10球以上を投げてストライク率100%はメジャー9年目で初となった。

 米スポーツ専門メディア「スポルティング・ニュース」のライアン・スペイダー記者は前日に、上原が更新中の偉大な記録についてツイッターで紹介していた。

「カブスのコウジ・ウエハラはリリーバーとしてキャリア通算WHIPが0.804。最低250回以上を登板しているリリーバーで、ベースボール史上最も低い数値だ」

 WHIPとは投手の安定感を示す指標で、与四球と被安打を合算した数値を投球回で割ったもの。つまり、1イニングあたり何人の走者を出したかを表す数値だ。先発投手の場合、シーズンを通して1.00以下ならメジャーを代表する投手と評価される。1シーズンのメジャー史上最高記録は2000年シーズンにペドロ・マルティネスが記録した0.737。スペイダー記者は、圧倒的な制球力を誇る上原はキャリアを通してメジャー史上で最も安定したクローザーだということをデータを提示して強調した。

■救援投手としてのWHIPは、ジャンセン、キンブレル、リベラに“大差”つけて1位

 カブス移籍当初にも、この凄まじいWHIPの数値は話題になっていた。ESPNのジェイソン・スターク記者が「ケンリー・ジャンセン(ドジャース)はWHIP(0.89)で現役のリリーバーで2位。誰が1位なのか? コウジ・ウエハラ(0.87)だ。300イニング以上で」とツイートし、上原の素晴らしさを紹介したところ、ファンは次々に訂正を要求。「ウエハラのWHIPはメジャー史上で1位。現役投手だけではない」「コウジ・ウエハラはメジャー史上最高のWHIPを記録している」などと、スターク氏の返信欄にはクレームが届く事態となっていた。

 上原のWHIPは、先発を務めていたメジャー1年目の2009年を含めても、キャリア通算0.867と450イニング以上を投げた投手でメジャー史上最高をキープしている。そして、救援登板に限れば、この日の登板を含めるとスペイダー記者が紹介した数字よりさらに下がって0.802と圧巻の数字。救援として通算350イニング以上を投げている投手では、2位のジャンセン(0.885)、3位のクレイグ・キンブレル(レッドソックス、0.926)、4位のマリアノ・リベラ(元ヤンキース、0.973)と、メジャー史に名を残すクローザーたちに“大差”をつけて1位となっている。

 そんな偉大な右腕は、この日も1人も走者を出さずに試合を締めた。圧巻投球に地元のカブスファンも大興奮。ツイッターには称賛のコメントが続々と投稿された。

「コウジ・ウエハラはマジで格好良すぎです」

「イェース! コウジ・ウエハラとサンドストームで勝負あり! カブスが勝った!」

「信じられない仕事ぶり、コウジ・ウエハラ! カブスが何とか勝利!」

「誰かコウジ・ウエハラが毎日登板しないことについて、納得できる証明をしてほしい」

 快刀乱麻のピッチングでファンを沸かせた上原は、メジャー史に残る活躍を続けている。