サッカーIQラボ 〜勝負を決めるワンプレー~Questionハヴァーツがボールを持ったドイツは、次の瞬間どうやって崩した…

サッカーIQラボ 〜勝負を決めるワンプレー~

Question
ハヴァーツがボールを持ったドイツは、次の瞬間どうやって崩したか?

 UEFAネーションズリーグ2022-23、リーグA・グループ3の第2節、ドイツ対イングランドが、ミュンヘンで行なわれた。強豪国同士の注目の一戦は1-1のドローとなった。

 試合は立ち上がりから、ドイツが前線からの高強度のプレスと巧みなポジショニングの攻撃で主導権を握る。イングランドは前半をしのいだものの、ドイツは後半5分にヨナス・ホフマンが決めて、先制に成功する。

 しかし、終盤にドイツのプレス強度が落ちると、押し込み始めたイングランドが43分にPKを獲得。これをハリー・ケインが決めて、1-1の同点で試合終了となった。

 今回は、ドイツのホフマンが決めた先制点のシーンをピックアップする。

 後半5分、カイ・ハヴァーツが中盤のスペースでヨシュア・キミッヒからパスを受けて前を向くと、そこへイングランドのハリー・マグワイアがプレスに出てきた。



中盤右でボールを持つハヴァーツ。ここからドイツはどのように崩したか

 そのタイミングで右ワイドのヨナス・ホフマンが中へ絞り、その外を後方からルーカス・クロスターマンがオーバーラップを仕掛けた。

 この状況でハヴァーツは次になにを選択し、ドイツはイングランドを崩したのか、というのがQuestionである。

Answer
隣のキミッヒを経由してフリーになったホフマンへ縦パス

 イングランドの守備に歪みが生まれた最初のポイントは、ハヴァーツが巧みなポジショニングでパスを受けたところだ。



ハヴァーツは隣のキミッヒへ渡し、そこからフリーのホフマンへ縦パスを入れてゴール

 ボールを保持するドイツに対して、イングランドはプレッシャーをかけに行っていた。この時、ドイツの右サイドバックのクロスターマンに対して、守備時に左サイドハーフとなるラヒーム・スターリングがプレスに出ていた。

 そこでデクラン・ライスの左脇にスペースが生まれ、ハヴァーツはトップから下りてそのスペースにポジションを取っていた。イングランドの中盤は背後を取られ、キミッヒからパスが入ると、もともとマークについていたセンターバックのマグワイアが釣り出される形となった。

 これを起点にマグワイアが空けたスペースに右ワイドのホフマンが入ってくる。そこにキーラン・トリッピアーがついて行きたかったが、クロスターマンが駆け上がってくるのが見えていたため、ホフマンを中央の味方に任せるしかなかった。

 しかし、中央のジョン・ストーンズはトーマス・ミュラーを見ているため動けず、ホフマンはそのまま浮いた存在となった。

 そしてハヴァーツからパスをもらったキミッヒが、フリーのホフマンへ縦パス。ワンタッチで振り向いたホフマンが素早くシュートを放って先制点となった。

 カタールW杯では、日本と初戦を戦うドイツ。日本と同じく4バックを採用するイングランドを見事に攻略したシーンだった。個の能力だけでなく、ポジションでも巧みに優位を作るドイツに対して、日本がどのように守るかは大きな課題になるだろう。