怒涛のGI6週連続開催は終了したが、競走馬たちの熱き戦いは続く。6月12日には秋の大舞台での飛躍を目指す面々がしのぎを…
怒涛のGI6週連続開催は終了したが、競走馬たちの熱き戦いは続く。6月12日には秋の大舞台での飛躍を目指す面々がしのぎを削るGIIIエプソムC(東京・芝1800m)が行なわれる。
過去10年の結果を振り返ってみると、1番人気はわずか2勝。一方で、5番人気以下が3勝を挙げるなど、この春のGIレースと同様、ひと筋縄とはいかないレースと言える。もちろんその分、馬券的な妙味は増す。
実際、3連単では好配当が続出。とりわけ2020年には、9番人気のダイワキャグニーが金星を挙げ、2着に5番人気のソーグリッタリング、3着には最低18番人気のトーラスジェミニが入って、421万9320円という超高額配当が飛び出している。
となれば、今年も積極的に穴馬券を狙っていきたいところ。そこで、過去10年の結果を参考にして、今回のレースで波乱を演出しそうな伏兵馬をあぶり出してみたい。
まず注目したいのは、GIで馬券圏内(3着以内)に入った経験のある馬である。なかには人気馬もいるが、過去にそういった実績馬が人気を落として激走を遂げている例が多いからだ。
たとえば、2013年に4番人気で勝ったクラレント、2014年に8番人気で3着となったダークシャドウ、2016年に1番人気で勝利したルージュバック、2021年に6番人気で2着に入ったサトノフラッグらがそうだ。
そして今年も、これまでにGIで馬券圏内に入ったことのある馬が1頭いる。ガロアクリーク(牡5歳)である。

エプソムCでの一発が期待されるガロアクリーク
同馬は3歳時、皐月賞トライアルのGIIスプリングS(中山・芝1800m)を快勝したあと、本番のGI皐月賞(中山・芝2000m)でも3着と好走している。その後も、勝ち負けを演じるまでには至っていないものの、GIIセントライト記念(中山・芝2200m)で3着と好走し、5歳となった今年もGII中山記念(2月27日/中山・1800m)で4着と善戦。底力は十分に秘めている。
脚元の不安などから昨年のエプソムC以降は長期休養を強いられたが、復帰後はその不安も解消されたという。勝ち星から遠ざかっているため、下馬評はそこまで高くないが、状態次第では過去例に挙げた馬たちと同様、一発の可能性は大いにあるだろう。
次にピックアップしたいのは、前走・GIII新潟大賞典(新潟・芝2000m)から臨んできた馬である。というのも、過去10年のエプソムCで馬券に絡んだ30頭の臨戦過程を見ると、前走がオープン特別のメイS(東京・芝1800m)とGIIマイラーズC(京都・芝1600m)が4頭、新潟大賞典はそれを上回る5頭とトップだからだ。
今年のメンバーを見渡してみると、メイS、マイラーズCからの参戦はない。一方で、臨戦トップの新潟大賞典からの出走は1頭だけいる。
トーセングラン(牡6歳)だ。
同馬はその前走・新潟大賞典で11着と惨敗。ここでも人気にはならないだろうが、前走はおよそ11カ月ぶりの長期休養明けだった。それに、過去の新潟大賞典から臨戦してきた馬の多くが大敗から巻き返しを図っている。
そもそも同馬は休養前、2勝クラス、3勝クラスと条件戦を連勝。着実に力をつけてきた馬ゆえ、叩き2戦目での大駆けあってもおかしくない。
ちなみに、トーセングランはディープインパクト産駒。エプソムCでも同産駒は強く、過去10年で4勝、2着4回、3着3回という好成績を残している。このデータもまた、激走への力強い後押しになるのではないか。
最後に狙ってみたいのは、人気薄の「東京巧者」である。このタイプの代表例は、2020年に大波乱を演出した1頭、9番人気で勝利を飾ったダイワキャグニーだ。
同馬は、このレースを勝つまでに東京が舞台のオープン特別を5勝していた。となれば、本来有力視されてもいい存在だが、重賞勝ちがなく、直近の新潟大賞典で14着と惨敗していたこともあって、人気が急落していた。
実は今回も「東京巧者」ながら、低評価にとどまりそうな馬がいる。シャドウディーヴァ(牝6歳)である。
同馬は長い間、重賞戦線で戦っているが、馬券圏内に入る好走を見せているのはほとんどが東京のレース。重賞初制覇を遂げた昨年のGII府中牝馬(東京・芝1800m)の他、2着が3回、3着が1回ある。
翻(ひるがえ)って、その他の競馬場の重賞では3着が1回あるのみ。東京との相性がいいのは間違いないが、今回は牡馬が相手で、前走のGIヴィクトリアマイル(5月15日/東京・芝1600m)でも9着に敗れていることから、上位人気を争うことはなさそう。
とはいえ、ヴィクトリアマイルでも2着ファインルージュとはコンマ3秒差。着順ほど負けてない。さらに牡馬が相手であろうが、GIII戦、かつ得意の東京が舞台となれば、勝ち負けを演じても不思議ではない。
激戦が繰り広げられたこの春のGIシリーズ。その馬券勝負において、悲喜こもごもあっただろうが、泣いた人の挽回のチャンスはこれからも十分にある。今回、その機会をもたらしてくれる馬がここに挙げた面々のなかにいるかもしれない。