まさかの高速決着、ドネアの戦い方にリング誌が注目 ボクシングのWBAスーパー&IBF世界バンタム級統一王者・井上尚弥(大橋)が7日、さいたまスーパーアリーナでWBC同級王者ノニト・ドネア(フィリピン)に2回1分24秒TKO勝ちし、日本人初の…

まさかの高速決着、ドネアの戦い方にリング誌が注目

 ボクシングのWBAスーパー&IBF世界バンタム級統一王者・井上尚弥(大橋)が7日、さいたまスーパーアリーナでWBC同級王者ノニト・ドネア(フィリピン)に2回1分24秒TKO勝ちし、日本人初の3団体王座統一に成功。12ラウンドを戦った3年前の試合とは一転し、わずか264秒の高速KO劇。世界で最も権威あるボクシングの米専門誌「ザ・リング」は早期決着となった理由を「ドネアが安全策を取らなかった」と指摘している。

 終わってみれば井上の独壇場だった。初回序盤、ファーストパンチで左フックを出して牽制したドネア。井上が手を出すと、右ストレートや左フックで返して応戦していた。しかし、初回終了間際にモンスターの右が左テンプルを貫き、ドネアはダウン。ラウンド終了のゴングに救われたが、39歳に大きなダメージを与えた。

 2回も井上の勢いは止まらない。左フックを浴びせてぐらつかせると、ロープ際に追い込んで猛攻。反撃に出ようとするドネアに左ボディーを入れて封じた。最後は猛ラッシュ。2度目のダウンを奪うと、試合を終わらせた。「ザ・リング」はこの一戦を「イノウエが残忍に、そして決定的にドネアを2回で倒した」と報じたが、その中で、早期決着となった理由についても指摘している。

「イノウエとの試合では、序盤は警戒をする必要がある」
「2回、ドネアは苦戦を強いられた。イノウエは左フックを決め続けた。ドネアは安全策を取らなかった。それが破滅の原因となった」

 初回から積極的に攻めようとしたドネアは結果として井上の餌食になってしまった。モンスターに対して安全策を取らなかった戦い方に一つの敗因があったと同誌は見ていた。(THE ANSWER編集部)