Bリーグの6代目新人賞を受賞、三河からは通算3人目 6月3日、Bリーグの年間表彰式「B.LEAGUE AWARD SHO…
Bリーグの6代目新人賞を受賞、三河からは通算3人目
6月3日、Bリーグの年間表彰式「B.LEAGUE AWARD SHOW 2021-22」が行われ、最優秀新人賞にシーホース三河の西田優大が輝いた。
今季三河に加入した西田は全53試合に先発。武器であるドライブと3Pシュートから平均11.6得点を挙げる安定した活躍を見せ、シーズン中に何度もキャリアハイを塗り替えた。ディフェンスでも相手のエース封じを任され、攻守両面で存在感を発揮した。
「今シーズンは僕自身、新人賞を一つの目標に頑張ってきたので、この賞を取れたことをすごくうれしく思いますし、この賞を取れたのは皆さまの応援があったからだと思うので、本当に感謝しています。こうやって僕たち若い世代が頑張ることでBリーグ、また日本のバスケを盛り上げることができたらと思っています。これからはまた違う形で、このアワードに呼んでいただけるように頑張ろうと思うので、これからも西田優大をよろしくお願いします」
壇上で堂々と受賞の喜びを語った西田だが、実は「めちゃくちゃ緊張していました」とTHE ANSWERの単独インタビューで明かした。「新人賞の名前を呼ばれた瞬間は、心臓の音が自分でも分かるくらいに緊張していて。(コメントも)ざっくり何を言おうか考えていたんですけど、いざマイクの前に立つといろいろ飛んじゃうこともありました」と23歳は初々しさをのぞかせた。
三河は過去5シーズンに岡田侑大、熊谷航(ともに信州ブレイブウォリアーズ)と、2人の新人賞受賞者を輩出している。無論、本人の努力が前提ではあるが、「若手がのびのびプレーし、それをベテランがサポートする」というチームの伝統も若き才能の覚醒をバックアップしている。
西田も「ミスしてもいいからどんどんやりなさいというコーチの方針やチームメートの声がけがあったので積極的にプレーできた。三河だったというのはけっこう大きかった」と話す。
優勝した宇都宮の比江島慎の姿に刺激
今季の開幕からスタメンに抜擢された西田だが、シーズン序盤は「自分がやっていいのかな」という遠慮があったという。その迷いを見抜いた鈴木貴美一ヘッドコーチ(HC)は、第3節の群馬クレインサンダーズ戦の後、「お前がエースだぞ。お前がもっとやらなきゃダメだぞ」と声をかけた。「もっとやっていいんだ」とメンタルが変わったことが、その後の西田の飛躍的な成長につながった。
有言実行を果たし、「ホッとしている」という西田。「こういう受賞をしたり、代表に選んでもらったりしているので、来シーズンはもっとチームの顔になれるよう、自覚と責任を持ったプレーを前面に出していきたい」と、すでに気持ちは次へと向かっている。
エースとしての自覚を強めたのは、B1チャンピオンシップ(CS)決勝で、宇都宮ブレックスを優勝に導いた比江島慎の姿が鮮明に残っているからだ。三河の新エースと期待されながら、最終節で川崎ブレイブサンダースに連敗を喫し、あと一歩のところでCS出場に届かなかった自分との差を痛感した。
「エースとはどういうものなのか、最後の最後に見せつけられたなという感じがした。チームから信頼されて、勝負どころやクラッチタイムになると必ず比江島さんのもとにボールが入ってくる。そういう存在になりたいと思いました」
三河は来季に向けて、鈴木貴美一HCの続投と、9選手の契約継続を早々に発表している。
「メンバーが変わらないからこそ、今季のような取りこぼしがないように、密にコミュニケーションを取って、チームのケミストリーを高めていけたらと思います。個人的には先ほども言ったように、誰が見てもエースだと思ってもらえるようになりたい」
緊張も闘志も、あまり表に出さず、常にニコニコしている「おでんくん」。「ベスト5に選んでもらうことを次の目標にしているので、そういう形で(アワードに)戻ってきたい」。いつものようにゆっくりと落ち着いた口調には、少しだけ熱がこもっていた。(山田 智子 / Tomoko Yamada)
山田 智子
愛知県名古屋市生まれ。公益財団法人日本サッカー協会に勤務し、2011 FIFA女子ワールドカップにも帯同。その後、フリーランスのスポーツライターに転身し、東海地方を中心に、サッカー、バスケットボール、フィギュアスケートなどを題材にしたインタビュー記事の執筆を行う。