交流戦好調な最下位・阪神に1ゲーム差に迫られる■楽天 6ー5 DeNA(交流戦・5日・横浜) DeNAは5日、本拠地・横…
交流戦好調な最下位・阪神に1ゲーム差に迫られる
■楽天 6ー5 DeNA(交流戦・5日・横浜)
DeNAは5日、本拠地・横浜スタジアムで行われた楽天戦に5-6で逆転負けを喫し、今季の日曜日は8戦8敗となった。セ・パ交流戦2位の快進撃で巻き返してきた最下位・阪神とは1ゲーム差。なぜ日曜に弱いのか。そして、今後上位進出の可能性はあるのか。現役時代にヤクルト、横浜(DeNA)など4球団で捕手として活躍した野球評論家・野口寿浩氏が分析した。
“日曜初勝利”まであと2人だった。1点リードの9回、守護神・山崎康晃投手は1死から鈴木大に四球を与え、続く4番・浅村に右中間席へ逆転9号2ランを放り込まれた。山崎は今季、日曜以外は13試合で1点も取られていないが、日曜に限ると3試合に登板して2回2/3で6失点(自責点6)、防御率20.25に跳ね上がる。
野口氏は「日曜に勝てないのは、たまたま。先発ローテの巡り合わせで日曜が“穴”になっていることが理由と言えば理由ですが、気する必要はないと思います。極端な話、エースの今永を毎週日曜に当てれば、すぐにでも勝てるでしょうが、それをやる意味はない」と指摘する。実際、三浦大輔監督はむしろ、1週間の始まりの火曜を今永に任せ、チームに勢いをつけることを重視している。
オースティン復帰間近「野手陣には明るさしか見えない」
最近の日曜の先発投手は、東が5月8日と翌週の15日に2試合連続3回KOを喫し2軍落ち。同22日の有吉、その翌週の29日の京山はいずれも今季初登板だった。そしてこの日(6月5日)の石田は、新型コロナウイルス感染を経て約2か月ぶりの1軍マウンド。「その石田が5回2失点にまとめ、もともと実績のある投手だけに明るい兆しが見えた。石田がハマれば、来週以降の日曜は白星が重ねていける可能性もある」と指摘した。
最下位・阪神に迫られたレギュラーシーズンの行方はどうか。右肘のクリーニング手術を受け戦列を離れているオースティンが、早ければ今月下旬にも1軍復帰が見込まれるという朗報もある。野口氏は「野手陣には明るさしか見えない。蝦名、関根が成長し、桑原も不振を脱しつつある。オースティンが戻ってきた時、外野手で誰を引っ込めるか迷うくらいでしょう」とうなずく。4番の牧は3冠王も狙える数字を残し、佐野、宮崎も好調だ。
一方で「絶対的な守護神こそいませんが、リリーフ陣は山崎、伊勢、エスコバー、クリスキーらが安定している」と評価。「浮上の鍵はやはり、先発投手陣が握っていると言えるでしょう。僕が在籍していた頃から、このチームの先発投手はいったん不振に陥ると長引く傾向がある。今季で言えば東、ロメロら。幸い火曜の今永、金曜の大貫が安定しているので、この2人を軸に白星を増やしていってほしい」と話す。今後の奮闘次第で“日曜の呪い”は、シーズン序盤限りの笑い話にすることもできる。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)