2022年4月、NHKのスポーツ情報番組「サンデースポーツ」に、パラアスリートの谷真海さんがニューメンバーとして加入!担当するコーナー「たに色まみ色」には、初回のマラソン・大迫傑選手から、東京パラリンピックのメダリスト米岡聡選手、ママになっ…

2022年4月、NHKのスポーツ情報番組「サンデースポーツ」に、パラアスリートの谷真海さんがニューメンバーとして加入!担当するコーナー「たに色まみ色」には、初回のマラソン・大迫傑選手から、東京パラリンピックのメダリスト米岡聡選手、ママになってからも活躍を続ける女子サッカーの岩清水梓選手と、多様なアスリートが登場しワクワクさせられます。今回は谷さんに、番組にかける想いについてインタビューしてきました!

担当するコーナーは、選手の個性に迫る「たに色まみ色」
NHK総合「サンデースポーツ」(毎週日曜21:50~)に4月から出演中の谷さん。メンバーの一人として、コーナーを担当します

以前何度か出演したことがあるのですが、新メンバーとしてのお話をいただいたときは、正直ビックリしました!長年、ずっと見てきた番組ですし、私でいいのかな……という気持ちが最初はありました。

でも2022年度からメンバーを8人に拡大した中で、パラアスリートを含んでいただけたということがすごく嬉しかったですし、「自分自身できることはやってみよう!」と思って、お受けしました。

私がアスリートの方々にインタビューするコーナーなのですが、道なき道を歩んできたアスリートやベテラン選手など、いろいろな方のお話を伺いながら、それぞれの個性を紹介していきます。個性を伝える一つとして、アスリートのみなさんに「ご自身を『色』で表すと何色ですか」という質問を毎回お聞きしています。

私自身も、取材やインタビューを通して自分自身の考えや想いを伝えていくことができるので、そういった機会を得られるのはとても嬉しいですね。

取材を「受ける」側から「する」側へ。アスリートの経験を活かして奮闘!
記念すべき初回は、東京2020オリンピック男子マラソン6位入賞の大迫傑選手にインタビュー!

取材を受ける側というのは慣れているので、あまり緊張しないんですが、取材する側にまわるというのは、こんなに難しいのか……と。すごく緊張しましたね(笑)。

アスリートという繋がりのみならず、私自身も敷かれたレールに沿って進んできたタイプではないので、そういった点で、思い切って海外に拠点を移し、前例のない挑戦をしてきた大迫さんの取材では、想いの部分で共通するところがあったなと思います。

あると思います。試合前は事前にしっかり準備をして臨んでいましたが、取材に対しても責任感をもって、しっかり自分ができる準備はしていこうと。下調べして、話の流れをしっかり頭の中に入れていくとか、そういうことは意識的にやっていきましたね。

知りたいのは、競技を極めてきたトップアスリートのマインドセット
オンラインで取材に応じてくださった谷さん。笑顔で想いを語ります

特定の人がいるわけではありませんが、これまで接点のなかったアスリートに話を聞くのはすごく面白いなと思うし、知っているアスリートのもっと深いところを聞いてみたいという願望もあります。いろいろな視点で話を聞いていけたらいいですね。

それぞれの競技を極めている人たちなので、どんな質問を投げかければいいのか難しいところですが、「どうしてそこまで自分を追い込んでいけるのか」ということに関しては特に興味があります。極限まで自分を追い込んで、乗り越えていくことがどの競技も大事になってくるので。追い込んで、乗り越えていく、その先に自身が描く未来みたいなものがあるのかなと。

そのエネルギーの源は一人ひとり違うと思うので、そこはぜひ知りたいです。私の場合、20歳のときに義足になって、生きるということについてすごく考えるようになった。「自分自身の人生を輝かせたい」という想いでスポーツを始めたので、今はスポーツが人生の中にある感じなんです。自分がやりたいように、自分の気持ちに忠実にやってきたという実感がありますが、それは谷真海という一人のパラリンピアンの意見であって、みんなそれぞれ違うはず。いろいろ聞いてみたいですね。

多くの人が見る番組だからこそ、パラアスリートの姿そのものがメッセージに

パラリンピックのおかげでパラアスリートがテレビに出演することは増えましたが、常に番組に出演するということは今までなかったと思うので、これは大きな一歩になるのかな、と思います。イギリスでも、ロンドンパラリンピックの後にパラアスリートたちがテレビに出る場面が多くなったそうなんです。人の心の中に残り続けるために、番組を通して定期的にパラアスリートの姿を見せる、というのは大事なメッセージなのかなと思いますね。

世の中にダイバーシティ&インクルージョンを実現させるには、いろいろな人が一緒になって作り上げている、という形が見えるのがすごく大事だと思います。私がやっている役割を、今後他のパラアスリートにバトンタッチする日が来ると思いますが、それも楽しみですね!

番組にかける想いや取材への意気込み、将来の展望などについて、希望に満ちた声で語ってくれた谷さん。今後、どんなアスリートの「個性」と「色」を届けてくれるのかが楽しみです。日曜夜の「サンデースポーツ」メンバーの谷さんに、これからも注目しましょう!

https://www.parasapo.tokyo/topics/26157

20歳のときに骨肉腫で右脚膝下を切断し、パラリンピック出場を新たな目標に陸上競技を始める。走り幅跳びとトライアスロンでパラリンピックに4大会出場。2013年にアルゼンチン・ブエノスアイレスで開かれたIOC(国際オリンピック委員会)総会で、東京2020大会招致メンバーの最終プレゼンテーションに立ち、東京大会の招致に大きく貢献した。東京2020パラリンピックでは日本代表選手団の旗手を務める。他にも様々な媒体でのインタビューや、「紅白歌合戦」に審査員として参加するなど、パラスポーツ・パラアスリートの地位向上を目指し、精力的に発信し続けている。