サーフィン業界初の社会人アスリートであり、短編映画『OCEANTREE』プロジェクト発起人である石川拳大(いしかわ・けんた)が先月29日、『OCEANTREE Ep.2』のブラッシュアップ版を発表。同作のお披露目は横浜赤レンガ倉庫で開催された「グリーンルーム フェスティバル’22」で行われ、当日は出演者らによるトークショーも行われた。

『OCEANTREE Ep.2』上映会ダイジェスト映像
created by 『OCEANTREE』PJ 八神鷹也&石川拳大

『OCEANTREE』は、フリーサーファーの石川拳大とシネマフォトグラファーの八神鷹也(やがみ・たかや)が2017年、「自然と共に生きること」をテーマに立ち上げた映像プロジェクト。サーフィンをもっと深く理解したいという想いから、「アライア」を巡る旅に出かけ、その様子を短編ドキュメンタリーとして映像化したものが本作だ。

アライアとは、杉や桐などの木材を数センチの厚さに削ってつくった木製サーフボードのこと。一般的なサーフボードと異なりエポキシや樹脂を使用しないことから、その“循環性能”が一部のコアなサーファーに再注目されている。古代ハワイアンが漁や遊びで使っていたことで知られており、まさに“サーフボードの原点”ともいえる存在だ。


『OCEANTREE Ep.2』上映の様子 photo by @raggaoki

今作の舞台は、京都市からローカルバスで1時間半ほどの山間にある京北(けいほく)地域。ここでは1200年以上も昔から、平安京を築くために集まった人々が、自然と共生する文化を脈々と受け継いできた。

この由緒ある土地で、アライアの基となる木を伐採するシーンから物語は始まる。切り出された木材は、匠たちの手によって削られ、漆を塗られ、波の上を滑るのに適したカタチへと姿を変えてゆく。


漆塗りのアライア(中央)と木製ボード photo by 八神鷹也

会場で石川は、アライアに乗ることをこう表現した。
「サーフィンを始めたときの、あのドキドキを思い出させてくれる」。

新しいモノやコトが、目まぐるしく消費されていく時代。物質的に飽和したこの世界で、目の前の“あたりまえ”にあらためて感謝の気持ちを持つことができたら——。本作は、そんなふたりの若者が発するシンプルな思いが、サーフィンを通して描かれている。


上映後は実際にアライアを見て、触れられる時間も photo by 八神鷹也

『OCEANTREE』は、私たちが忘れがちな、本当のサーフィン、そして本質的な生き方について、そっとヒントをくれるような作品だ。前作から約5年ぶりに発表された最新作。今後の上映予定は、公式ホームページまたはインスタグラムをチェックしてみよう。

イベント詳細

日程:2022年5月29日 (日)
時間:16:00から1時間ほど
場所:横浜赤レンガ倉庫3F
出演:石川 拳大 (OCEANTREE PROJECT)、八神 鷹也(OCEANTREE PROJECT)、堤 卓也 (堤淺吉漆店四代目)、松田 ロドリゴ (Lasca Woodworks)

※十分な感染症対策のもと上映

OCEANTREE ~ The Journey Of Essence ~ Episode.2 in Kyoto (2021) 予告編

 

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