) カラフルなコスチューム。カラフルな髪型。カラフルなペイント。ガウンには大きく「傾奇者(かぶきもの)」と書かれている。『花の慶次』を思わせる音楽と共に、ド派手な彼女は威勢よく入場する。この闘いが、楽しみでしかたがない。プロレスが、楽しくて…

 カラフルなコスチューム。カラフルな髪型。カラフルなペイント。ガウンには大きく「傾奇者(かぶきもの)」と書かれている。『花の慶次』を思わせる音楽と共に、ド派手な彼女は威勢よく入場する。この闘いが、楽しみでしかたがない。プロレスが、楽しくてしかたがない。そういう表情を、彼女はする。

 ウナギ・サヤカ――。彼女はきっと今、プロレスが楽しくてしかたがない。


スターダム

「コズミック・エンジェルズ」の一員であるウナギ・サヤカ photo by 林ユバ

 昨年10月9日、スターダム大阪城ホール大会で解説を務めた長与千種は、ウナギをこう評した。「試合を観ていると、どんどんどんどん巧くなっていくんですよね。徐々に徐々に試合勘がよくなっていってるんです。ひょっとしたら、コズミック・エンジェルズ(ウナギが所属するユニット)の中で一番になりそうな気がしないでもない」。

 愛川ゆず季のYou Tubeチャンネル『ゆずポンちゃんねる』で、ブル中野はウナギをこう評した。「例えば10分、15分、あの人がリングにいただけで時間が持っちゃうんだよね。あの人がこれからもしプロレスをもっと勉強すれば、そこでももっと魅せられるけど、なんにもできない今に15分持っちゃうって、なかなかいないんだよね」。

 キャリアは3年5カ月。プロレスがずば抜けて巧いわけではない。しかし彼女を見ていると、プロレスの"巧さ"とはなんだろうと考えさせられる。技術よりも大事なのは、華があること。魅力があること。しかし彼女を見ていると、それだけでもないような気がしてならない。

 私はとにかく、ウナギ・サヤカに会ってみたかった。その魅力がどこから来るのか。なぜレジェンドたちがこうも彼女を褒め称えるのか。私は会って、確かめてみたかった。

【プロフィール】
■ウナギ・サヤカ
1989年9月2日、大阪府生まれ。168cm、54kg。小学校2年生からアーティスティック・スイミングを始め、全国大会3位入賞。オリンピック候補生となる。高校ではチアリーディング部に入部し、全国大会優勝。卒業後、ダンスの専門学校に入学し、2008年より芸能活動を行なう。2018年5月、東京女子プロレスの練習生となり、翌年1月4日、後楽園ホールにて「うなぎひまわり」としてデビュー。2020年11月、スターダムに初参戦。コズミック・エンジェルズを結成し、12月、アーティスト・オブ・スターダム王座を戴冠。過去最多防衛記録(V7)を樹立する。2021年7月、フューチャー・オブ・スターダム王座を戴冠し、査定マッチが話題となった。