
ストレートにいつもの切れがなかった大谷は、変化球に頼らざるを得なかったようだ。(C)Getty Images
ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平は5月26日(日本時間27日)、本拠地でのテキサス・レンジャース戦に先発登板。6回93球を投げて、被安打6、1四球、5失点で負け投手となった。初回から腰に違和感を覚えていたという二刀流のパフォーマンスは、5失点という結果からも、本来のものでなかったことは明らかだ。では、どのような課題を抱えていたのか。田中将大やダルビッシュ有を育て、「日本一の投手コーチ」(故・星野仙一氏)と称された佐藤義則氏に、大谷のピッチング内容を分析してもらった。
【動画】大谷翔平、初回の先頭打者に被弾。低めのストレートが痛打されたシーンをチェック
全体的にボールが高めに浮いていたのが、5点を取られた要因だろう。スプリットはいいところに落ちているボールもあったが、カットボールやスライダーは抜けた球が多かった。“良い球”と“甘い球”がハッキリ分かれていて、ヒットを打たれたのは、だいたいベルト上のボール。内角低めへのストレートは、ほとんど投げていなかった。あれぐらいの高さにボールが集まったら掴まるのは自然だし、外野フライにはなっていたけど、ホームランでもおかしくない打球も結構飛んでいる。大谷が力でねじ伏せたというより、相手打者がミートできなかった印象だ。
初回の先頭打者にストレートをホームランにされたことで、ストレートを投げる回数が減ったようにも感じた。大谷自身、“ボールが走っていない”と思っていただろうし、実際に打者の後ろに飛ぶファウルや、ストレートで空振りを取る場面は数えるほど。スプリットで三振は取れたが、一方で160キロ台のストレートを投げきれなかったから、いつものようなピッチングの組み立てができなかった。
技術面から言うと、ボールが浮いていたのは、上体や頭が突っ込んで肘が出てこなかったからだ。肘が出てこないとボールを持つ時間が短くなり、どうしても高めに浮いてしまう。上半身で投げるタイプの大谷は元々、ボールが高めに浮きがちだが、この日は初回から腰に違和感を覚えていた影響もあって、それが強く出ていたように見えた。
特に、肘が下がっていたのがスライダーだ。スライダーを大きく曲げたいと思うと、どうしても腕の振りで曲げようとする。大谷だけではなく、ピッチャーはみんなそういう傾向があるものだ。だから、横から手が出てくるようなフォームになり、バッターに球種が分かりやすくなる。
ただ、カーブは絶品だった。落ち切らなかったカーブをホームランにされた場面があったが、それは単に失投になっただけ。抜けたカーブは最もホームランされやすい球で、メジャーのバッターなら10球中8球は柵越えを打ってくる。あれを除けば、全体的にブレーキが効いていてカウントを取れていた。
大谷がこれから修正すべきポイントは、やはり下半身の使い方だろう。左足が着いたらすぐに投げるフォームの大谷は、リリースのタイミングが早いため、ボールが高めに浮く傾向にある。もう少しお尻から出ていったら重心も下がるし、ボールを長く持っていられるので、もっとコントロールがついて低めの制球力が増すはずだ。
コンディションが良い時の大谷は、すべての球種が一級品。ストレートで空振りを取るタイプのピッチャーが、あれだけブレーキのかかるカーブを投げられたら、それこそ鬼に金棒だ。組み立てを工夫すれば、さらに内容が良くなるのは目に見えている。
以前、大谷は「ベースの中で勝負して投げている」といった内容のコメントをしていたが、ボールになるスライダーや落差のあるカーブを交えていけば、ピッチングの幅が広がり、安定感も増す。ファウルを打たせてカウントを取り、得意のスプリットで勝負できるような形を確立したいところだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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