2021-22プレミアリーグベストイレブン GK&DF編  MF&FW編はこちら>>大熱戦だったイングランドプレミアリー…

2021-22プレミアリーグベストイレブン GK&DF編  MF&FW編はこちら>>

大熱戦だったイングランドプレミアリーグの今季のベストイレブンを、自国英国人の記者に選んでもらった。大手高級紙などに寄稿しているリチャード・ジョリー氏は、GK&DFに存在感抜群の5名を選んでいる。また、冨安健洋、南野拓実の日本人2選手のプレーぶりも評価してもらった。

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英国人記者が選んだ、プレミアリーグベストイレブン

鉄のメンタルと驚異的な反応

GK/アリソン(リバプール/ブラジル)

 ユルゲン・クロップ監督はよく、このブラジル代表守護神が世界最高のGKだと称える。

 今季のプレミアリーグでは、ウォルバーハンプトンのジョゼ・サーが1年目にビッグセーブを連発して新鮮な驚きを提供したが、アリソンは重要な勝ち点につながる多くのセーブだけでなく、広大なエリアをカバーしてチームを支えた。

 リバプールの高い最終ラインは彼らの攻撃的なスタイルに不可欠なものだ。ただしそれは、相手に逆襲のビッグチャンスを与えやすいものでもある。そんな時でもアリソンはパニックにならず、鉄のメンタルと驚異的な反応で1対1を制す。

 1月のクリスタル・パレス戦を筆頭に、センセーショナルなパフォーマンスを何度も見せた。またFAカップ決勝ではメイソン・マウント(チェルシー)のキックを阻み、優勝に貢献している。



今季も良質なキックでアシストを量産したアレクサンダー=アーノルド photo by Getty Images

DF/トレント・アレクサンダー=アーノルド(リバプール/イングランド)

 攻撃はすばらしいが、守備ができないとする評価は、クロップ監督が認めない。ポジショニングに成長の跡が見られ、素早い寄せで相手のボールを掠め取ることもしばしばある。

 とはいえ、やはりあの極めて良質なキックに、ほかの側面が霞んでしまっても不思議ではない。状況に合わせてさまざまな球種を蹴り分け、精度も抜群。今季も全公式戦で20に迫るほどのアシストを量産した。

 ゴールこそ2つだったものの、間違いなく彼が引退する時には、DFの得点記録を塗り替えることだろう。「トレントのような選手はほかにいない。彼の総合力は途轍もない」とクロップ監督は言う。

DFが1試合に3アシスト

DF/アントニオ・リュディガー(チェルシー/ドイツ)

 ロシアのウクライナ侵攻によりロマン・アブラモビッチの資産が凍結され、チェルシーはこの守備の要との契約を更新できなくなった。来季からの新天地はレアル・マドリード(スペイン)が濃厚で、その不在を痛感するようになるはずだ。

 とくにトーマス・トゥヘル監督は自身の就任後、フランク・ランパード前監督から冷遇されていたリュディガーをレギュラーに抜擢し、昨季のチャンピオンズリーグ制覇につなげている。

 パワフルに敵を潰し、スピード勝負も得意で、マイボールの際には自ら持ち運んで数の優位性を生み出す。また37歳のチアゴ・シウバとの相性もよく、リュディガーのスピーディーなカバーにより、このベテランも生かされていた。

DF/フィルジル・ファン・ダイク(リバプール/オランダ)

 昨季に負った重傷により10カ月の離脱を強いられ、今季序盤戦はまだ完全復活とは言えないようなプレーが続いていた。「もう全盛期の姿を取り戻せないのではないか」と見る向きもあったが、ファン・ダイクはそんな声を沈黙させた。

 今年2月、クロップ監督も「ベストの状態に近づきつつある」と太鼓判を押し、実際チームは彼の復調と足並みを合わせるように新年のリーグ戦で無敗を続けている。

 どんな時も冷静で、自信を持って最終ラインを押し上げ、前方への守備にめっぽう強く、後ろを取られても追いつける脚力もある。リーグカップ決勝ではマン・オブ・ザ・マッチに輝き、今季の1冠目の獲得に寄与した。

DF/ジョアン・カンセロ(マンチェスター・シティ)

 ユニークなフットボーラーと呼ばれる選手はいるが、本当の意味でそう評せるのは、カンセロのような独自性を持つプレーヤーだ。

 右利きのフルバックながら、左サイドで起用され、頻繁にセントラルMFの役割をこなす──しかも本職と遜色のないハイレベルな働きだ。シティの攻撃が左サイドに偏る傾向があるのは、彼の存在が大きく、ジョゼップ・グアルディオラ監督もこれ以上ないほどの信頼を置く。

 1試合に3アシストを記録するのは、ハットトリックよりも珍しいものだが、彼はそれを今季のチャンピオンズリーグ(クラブ・ブルージュ戦)で成し遂げている。シーズン終盤戦はやや疲れが見えたものの、こんなにオリジナリティのある選手はなかなかいない。

日本人2選手への評価

DF/冨安健洋(アーセナル/日本)

 開幕3連敗──最悪のスタートを切ったアーセナルの命運が変わったのは、9月にこの日本代表DFが加入してからだ。

 冨安は即座にライトバックに収まると、堅実な守備で左右のバランスを改善(逆サイドには攻撃的なキーラン・ティアニーが入ることが多かった)。ボールを持てば、シンプルかつ正確なパスや巧みなドリブルで攻撃をサポートした。

 その後、負傷で離脱すると、チームは彼の不在の影響を受け、4月には下位チームに3連敗を喫している。

FW/南野拓実(リバプール/日本)

 世界一と言えるほど充実したリバプールの攻撃陣で、出番はなかなか得られなかったが、それでも限られた出場時間で、結果を残した。

 プレミアリーグでは11試合(先発は1)で3得点、リーグカップでは5試合で4得点、FAカップでも4試合で3得点と、全公式戦を通じて10得点。リーグ戦は186分で3得点なので、1試合平均にすると1.45得点と驚異的だ(ちなみに得点王のモハメド・サラーは0.73)。

 2つの国内カップ戦では、彼のゴールがタイトルへの道程を形作った。来季こそ、新天地を求めることになるかもしれないが、指揮官も仲間もファンも、彼の高い価値を認めている。