衝撃の投打二刀流1軍デビューだった。中日・根尾昂内野手が21日の広島戦、1-10と大量ビハインドの8回に投手として1軍初登板を果たした。
【関連記事】「なんであそこまで飛ぶんだ!」大谷日米通算150号を米球界驚愕の特大アーチで決める
「投手・根尾」がアナウンスされると、敵地ながらスタンドがどよめいた。3年時には春夏連覇を果たした名門・大阪桐蔭高時代に、投打二刀流で名を馳せたことは多くのファンが知っている。2週間前の8日には2軍戦で甲子園のマウンドに上がり、近い将来の二刀流デビューを匂わせてもいた。
大量点差がついた試合で、中継ぎ投手の消耗を避けるため、野手が登板することはメジャーリーグではままみられる。つい先日もカージナルスに復帰し今季限りでの引退を公表しているアルバート・プホルスが、42歳にして15-2と大量リードの9回に投手デビューを果たし話題になったばかり。3安打4失点されながら1イニングを投げきり、試合をしめくくった。
マーリンズ時代のイチローや、現ヤクルトの青木宣親もアストロズ時代に登板した経験を持つ。
NPBでも2020年に巨人・増田大輝内野手が0-11の阪神戦で8回1死から登板したことがあった。
だが、この日の根尾が見せたパフォーマンスは、それらの野手登板とは大きく一線を画したものだった。
初球、坂倉への直球はいきなりこの日最速の150kmをマークした。2球目に右前打を許したが、続く小園は右飛、磯村は中飛、中村健は二ゴロと3者連続で凡退させ、1イニングを無失点で降りた。
プロ入り時から投打ともに高いポテンシャルが評価されていた。ドラフト1位で4球団競合の末、地元の岐阜県に近い中日に入団。同時に本人は「野手一本で勝負」と宣言し、正遊撃手・京田に挑戦状をたたきつけた。だが故障もあり出だしでつまずくと、なかなか1軍に定着できない日々が続いた。2年目からは外野手に挑戦するなど、迷走を続けているようにも映った。
今季もここまで打率は1割台。投手として立った9回の打席では力ない一ゴロに倒れた。果たして今後、根尾が進むべき道はどのようなものなのか。
試合後、立浪監督は「また、こういう展開で投げることはあるかもしれない」と説明。その上で「これからいろいろなことを考えないといけない。いろんな見方や、いろんなことを言われると思うが」と今後の本格的な投打二刀流挑戦への含みを持たせた。
裏での練習内容はうかがい知れないが、少なくとも満足な投球練習を日々重ねているとは想像しがたい。それでいて、本職の投手と見紛うような立派なフォームから、最速150km、常時140km台後半の直球を投げ込み続けた。本格的に挑戦したのならば--。誰もがその先が見てみたくなったはずだ。
投打二刀流といえば誰もがエンゼルス・大谷翔平の勇姿を思い浮かべる。だが、何も大谷の後を追う必要はない。例えば遊撃を守りながら、ワンポイントとして右打者相手にマウンドに上がる。または終盤、7、8回のマウンドを勝ちパターンの一角として託される。大谷にはなれなくても、根尾にしかできない二刀流のスタイルがあるはずだ。誰にでもできるわけではない。だからこそ、挑戦する価値がある。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
【関連記事】「なぜ遠投しない?」佐々木朗希と野茂英雄の意外な共通点
【関連記事】「将来、監督はしたい。その理由は―」SB松田宣浩に究極の2択を迫る!将来の監督像、奥さんに伝えたいこと
【関連記事】中日・根尾 本格覚醒間近か 刺激となった「あのロマン砲」の存在