異次元すぎる。ロッテ佐々木朗希投手(20)が、直球平均球速で100マイル(時速160.9キロ)超えを果たした。先発した20日ソフトバンク戦(福岡ペイぺイドーム)で、直球全45球のうち160キロ超えが41球(91%)。平均161.1キロと、自身の持つNPB(日本プロ野球)記録をさらに更新した。

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 メジャーで100マイル超えは速球派と認められる基準の1つだが、平均100マイル以上の先発投手となると、一握りしかいない。今季、佐々木朗が160キロを投げた球数はすでに200球以上。日本の若きスピードスターは、世界も驚く速さで、成長の階段を駆け上がっている。

[佐々木の今季直球平均球速と160キロ超えの球数]

  平均球速 <160キロ超の球数> 最速
3月27日(楽) 157.6キロ <10球> 164キロ
4月03日(西) 159.5キロ <38球> 163キロ
4月10日(オ) 159.8キロ <36球> 164キロ
4月17日(日) 159.7キロ <33球> 163キロ
4月24日(オ) 160.0キロ <19球> 164キロ
5月06日(ソ) 160.7キロ <43球> 164キロ
5月13日(オ) 158.9キロ <15球> 163キロ
5月20日(ソ) 161.1キロ <41球> 164キロ

 球速の波がなく、ハイレベルな投球を続けていることがわかる。この日は自己最速164キロを5度もマークした。異次元の速さを誰よりも味わったのは、9三振を奪われたソフトバンク打線でなく、女房役の後輩だった。


 3回、ロッテ捕手・松川はカーブを要求したつもりが、サイン違いで佐々木朗の160キロ直球が首元に直撃。「ボールがすぐ先にあった」と対応しきれず、プロテクター越しでもマスクがずれるほどの衝撃を体感した。

 6回4安打1失点で、リーグトップ5勝目を挙げた佐々木朗は「今日は早い段階で点を取ってもらったので思い切って投げることができました。ちょっとコントロールに苦しんでしまってイニングを稼げなかったので、次回はしっかり修正できるように頑張ります」とコメントした。

 制球に苦しんだといっても、許した四球は2つ。今季8試合55イニングで8四球と大崩れしない。速さだけでなく、コントロールもいい。決め球フォークが150キロを計測するなど、4月に完全試合を達成した20歳の勢いは止まらない。

 平均100マイル超えをクリアし、次は最速記録に期待が集まる。大谷翔平が持つ日本人最速165キロ、ビエイラ(巨人)が持つNPB最速166キロの更新は、時間の問題かもしれない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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