ブリヂストンレディス第2日 国内女子ゴルフツアーのブリヂストンレディス第2日が20日、千葉・袖ヶ浦CC袖ヶ浦C(6713ヤード、パー72)で行われた。今季国内初戦の渋野日向子(サントリー)は2バーディー、3ボギーの73で通算3オーバー。通過…

ブリヂストンレディス第2日

 国内女子ゴルフツアーのブリヂストンレディス第2日が20日、千葉・袖ヶ浦CC袖ヶ浦C(6713ヤード、パー72)で行われた。今季国内初戦の渋野日向子(サントリー)は2バーディー、3ボギーの73で通算3オーバー。通過ラインに1打届かずに69位で予選落ちした。ショットの不調が響き、会見では「どうにもできなかった1日」「心苦しい1週間」と悔しがった。大会は通算2オーバーで52位タイまでの68人が予選を通過。首位には通算7アンダーの西郷真央(島津製作所)、山下美夢有(加賀電子)、申ジエ(韓国)が並んでいる。(取材・文=THE ANSWER編集部・柳田 通斉)

 最終18番パー5。渋野は集中力を高め、7メートルのバーディーパットを打った。そして、すぐに歩き出した。ボールはカップの左へ。瞬間、予選落ちが確実になった。

「(入れば予選通過の状況でパットを)入れた過ぎて引っ掛けたからです。アメリカでよくやっていたミスで、やらないように練習をしてきたのに、最後の最後にやってしまいました」

 今季から米女子ツアーを主戦場とし、メジャー初戦・シェブロン選手権4位、ロッテ選手権2位など出場7戦でトップ10に3度入った。既にツアー後半戦の出場権と来季シード権をほぼ手中にした。そして、今季初の国内参戦。この日も“渋野見たさ”で3251人が来場。しかし、渋野は2日連続で精彩を欠いた。

「(流れが悪くなったきっかけは)1番ホール第2打のクラブ選択ミスです。出だしから(グリーン)奥に外すミスをして、『こういう日かな』と思ってしまいました。『何回、同じことをやるんだよ』と思いましたし、切り替えるのに時間がかかりました」

 大会前から「欲との闘い」を口にしながら、ショットをグリーン奥に切られたピンに届かせようとした。ボールは勢い余ってグリーンオーバー。放ったアプローチは、下り傾斜で転がってピンから10メートル以上離れた。そのショックを引きずり、ショットは暴れ続けた。笑顔は消え、観客の顔も見られない程、「しんどかった」と言った。

「ここで4日間戦って、いい状態でUS(全米女子)オープンに行きたかったのですが、やってきたことを発揮できず、心苦しい1週間になりました。いつも課題を見つけて練習をしていますが、試合をするごとにまた課題ができる感じです。今回は、緊張感のある中で、再現性のあるスイングができなかった。いかに緊張の中でも自分のやるべきことをやって、それができるようにするか。心の準備とか、体の土台とかがもっと必要になってくると思いました」

宮里藍には会えず「次の機会にでも」

 帰国前に出場した試合では今季初の予選落ちを喫していた。その後、岡山市の実家に戻ってリフレッシュをしながら、練習を重ねていた。だが、調子を戻せないまま今大会に臨み、「期待」という重圧にも押しつぶされた形だ。

 くしくも今大会の会場には、練習日から宮里藍が姿を見せている。高3でアマチュアながらツアー初優勝を果たしてプロに転向。翌04年に5勝、05年に6勝して06年から米女子ツアーに参戦した。同年9月、国内初戦となった日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯では、大観衆の中で堂々の優勝を飾っている。そんな重圧の経験者と対話する絶好の機会だったが、タイミングが合わなかった。

「残念ながらお会いできませんでした。ただ、調子が悪い時、モチベーションというか、どういうことを考えながら試合をされていたのかをお聞きしたいです。次の機会にでも」

 大会側も期待していた「渋野フィーバー」は、2日間で終了。ただ、本人が一番残念に思っているのは間違いなく、会見を終えると、「出直し!」と言って席を立った。ラウンド中、ほとんどなかった笑みもわずかに見せた。いい時もあれば悪い時もあるのがゴルフ。渋野は、次のターゲットにする全米女子オープン(6月2~5日)に向けて来週、再び海を渡る。(THE ANSWER編集部)