■首位・仙台は大宮のホームに乗り込む 10勝一番乗りで首位のベガルタ仙台は、アウェイで大宮アルディージャと対戦する。 …

■首位・仙台は大宮のホームに乗り込む

 10勝一番乗りで首位のベガルタ仙台は、アウェイで大宮アルディージャと対戦する。

 両チームが最後に対戦したのは、17年11月18日のJ1リーグ第32節だ。ホームの仙台が増嶋竜也三田啓貴の得点とオウンゴールで、J2降格となる大宮を3対0で下している。

 この試合に関わった両チームの選手で、現在も所属しているのはごくわすかだ。仙台は蜂須賀孝治平岡康裕のふたりで、梁勇基富田晋伍、2種登録選手だったGK小畑裕馬はメンバーに入っていない。

 一方の大宮は、大山啓輔ひとりだけだ。当時ユース在籍の奥抜侃志が2種登録されていたが、この試合にはエントリーされていない。

 J2での対戦となると、大宮が昇格した04年までさかのぼらなければならない。過去のデータは意味を成さないだろう。

 ホームの大宮は18日にナイトゲームを消化した。8日に開催されるはずだった15節のいわてグルージャ盛岡戦で、7連敗中で最下位に沈んでいた相手に0対1で敗れている。

 大宮はここ4試合負けなし(2勝2分)と、調子が上向きだった。システムを4-3-3から4-4-2へ変更したことで守備が安定し、試合運びそのものも安定してきた。

 直前のV・ファーレン長崎戦は、アウェイで0対0と引分けた。今シーズン初のクリーンシートである。霜田正浩監督は「個々の能力が高い相手に対して、ほぼ決定機を作らせることなくクリーンシートを達成できた。チームの成長を感じます」と話していた。しかし、岩手戦では後半アディショナルタイムの失点で苦杯をなめたのだった。

 仙台戦へ向けては、GK南雄太の負傷が大きい。岩手戦の後半途中にバックパスを処理し、ピッチに倒れ込んでしまったのだ。右足アキレス腱断裂で全治6か月と診断され、今シーズン中の復帰は難しくなった。

 GKでは上田智輝が長期離脱中で、4月に志村滉ギラヴァンツ北九州から期限付き移籍させている。ジュビロ磐田水戸ホーリーホックFC東京、北九州を渡り歩いてきた26歳が、南の離脱中はゴールマウスに立つことになりそうだ。

 ポジティブな材料もある。泉澤仁がシーズン初出場を果たしたのだ。ヴァンフォーレ甲府から古巣に復帰した30歳は、シーズン開幕前からケガの治療を続けてきた。そして、岩手戦でピッチに立ったのだった。

 このドリブラーが主戦場とする2列目の左サイドでは、U―21日本代表候補の柴山昌也、中野誠也らが定位置を争っている。静止した状態から爆発的な加速で相手を振り切る「ゼロヒャク」のドリブルで、泉澤は攻撃陣を活性化できるか。

■4月3得点の仙台・氣田が月間MVPに

 アウェイへ乗り込む仙台は、前節のツエーゲン金沢戦の勝利で首位に浮上した。11節からの5連戦を4勝1敗で乗り切り、1週間のインターバルを経て金沢戦で連勝を飾った。

 中島元彦の加入で中盤が安定したことに加えて、フォギーニョが好パフォーマンスを維持している。4-4-2のシステムでセントラルMFを担う彼らの存在が、攻守を安定させている。

 Jリーグが選ぶ4月の月間MVPに選出された氣田亮真は、4月の5試合で3得点1アシストを記録した。5ゴールはチームトップタイだ。

 氣田と並んで5得点をあげているのは富樫敬真だ。開幕から6試合で4得点をあげていた中山仁斗の離脱後、2トップの軸として機能している。

 遠藤康にも触れるべきだろう。15節の長崎戦、16節の金沢戦は2トップの一角で起用され、必要に応じて立ち位置を変えながら相手の脅威となっている。得点とアシストはどれもJ1のクオリティで、存在感は際立つ。

 4月の月間最優秀監督に選ばれた原崎政人監督は、大宮で現役時代を過ごし、大宮で指導者キャリアをスタートさせた。18年、19年はトップチームのコーチを務めている。指揮官にとっては特別な一戦だ。

 大宮戦後はユアスタでのホーム連戦が待つ。5月の残り3試合で首位固めをするというのが、仙台にとっての理想的なシナリオである。

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