2024年パリオリンピック競技大会より、ブレイキン(ブレイクダンス)が新競技として追加された。国際大会でも確かな結果を残してきた強豪国の日本は、金メダル獲得へ大きな期待が寄せられている。 10代から世界で活躍してきたRAM選手もそのスター…
2024年パリオリンピック競技大会より、ブレイキン(ブレイクダンス)が新競技として追加された。国際大会でも確かな結果を残してきた強豪国の日本は、金メダル獲得へ大きな期待が寄せられている。
10代から世界で活躍してきたRAM選手もそのスター候補の1人だ。そして現在は、2年後の大舞台へ適切なトレーニングで心身の強化に貢献するパフォーマンススペシャリストとともに、さらなるレベルアップを目指している。「世界で勝てるようにサポートすること」を使命として掲げる『森永製菓inトレーニングラボ』で、アスリートたちは最高のパフォーマンスのためにどのような準備をしているのか。そのこだわりについて、RAM選手と中嶋杏菜さん(パフォーマンススペシャリスト)に話を聞いた。
選手個々に向き合ったトレーニング
RAM選手が得意とするのは頭や肩を使って連続回転する“パワームーブ”だ。その力強さは女子選手の中でも群を抜いている。競技そのものの特徴であるダイナミックな動きを持ち味に、立ち踊りやフットワークも交えながら力強く表現していく。一方で、断続的に踊り続ける体力的要素も不可欠なのがブレイキンである。中嶋さんによると、RAM選手の課題はこの持久力と、体を制御する能力だという。
「ブレイキンの技の要素は様々ですが、RAM選手の現在の課題は、後半のフットワークでのミスを減らすこと、新技のチャレンジに向け、体幹を軸としながら身体をうまく扱う能力を向上させることです。技の成功は適切なタイミングとスピードがカギを握るので、様々なトレーニング中に特にスピードを意識してもらっています。ブレイキンは、自分が踊った後に相手が踊るのを30秒程待ち、また30~40秒程度踊るようなインターバル的な要素もあるので、運動制御と持久力な要素も含んだ2点を中心にトレーニングしています」
これらのトレーニングはRAM選手のために組まれたメニューだ。中嶋さんは続ける。
「彼女の課題に合わせてプログラムを組むことが彼女ならではのトレーニングなので、例えばスクワットひとつでも、そこには彼女がやる意図、シチュエーションが含まれています。最初にヒアリングをして、『大体こういうのでいいと思うんだけどどう?』と話して、本人の納得感を大事にしながら、コミュニケーションを取って進めていきますね」
トレーナーから選手への一方通行のトレーニングではなく、選手個人に向き合い、対話する。森永製菓 inトレーニングラボでは双方向の密なやり取りが重要視されている。
トレーナーは「支えてくれる特別な存在」
より強い体を目指して鍛錬する選手と、それを知識と実践でサポートするトレーナーは、トレーニングのみの関係ではない。最前線で戦い続ける彼女の心の支えとなることも大きな役割だ。RAM選手にとって、中嶋さんは“特別な関係性”だと話す。
「家族やマネージャーとはまた違う面で自分のことを見てくれて、支えてくれる心強い存在です。母やダンスの先輩は、ダンスの面で私をみると思いますが、(中嶋さんは)ダンスだけでなく、それ以外の面でも客観的に見てくれている感覚が伝わるので、そういう部分がとても嬉しいです」
中嶋さんもトレーナーとして、選手とともに成長していくことにやりがいを感じている。
「悩みを聞くこと、RAM選手と話すことで何かひとつ彼女の悩みをクリアにできることや、困っているときに少しずつ小さい障害物を越えていく点でも日々充実感や達成感はありますね。まだまだ若い選手で、これから何年も期待できる選手だと思うので、若いときにやらなければいけないベーシックな部分、土台をしっかりと作って、どんどんブレイキンの中でも幅を広げられるようなサポートができたらよいなと思います」
積み重ねた毎日と歩んでいく
最後に、この森永製菓 inトレーニングラボでの経験をどう生かしていきたいかRAM選手に聞いた。
「基本を伸ばしてさらにその上に実力がつくように指導してくれるので、もしある程度まで実力がついたのにまた下がったら、なんでだめだったのか考えることや、どうすればまたここまで戻せるかなとか、今からもっと能力を伸ばすにはどうしたら良いかを、(中嶋)杏菜さんのお話を聞いたり思い出したりして、どこの場所にいっても活用したいなと思っています」
世界を相手にするRAM選手は決してひとりではない。ともに歩んだトレーニングと築き上げた信頼関係の積み上げの毎日が、RAM選手をいつでもどんな時も支えている。
RAM
2001年4月11日生まれ、神奈川県出身のブレイカー(ブレイクダンサー)。2018年第3回ユースオリンピック競技大会女子ブレイキン金メダリスト。ダンサーネームをRAMとし活動する。
中嶋杏菜(なかじま・あんな)
びわこ成蹊スポーツ大学卒業。パフォーマンススペシャリスト。
森永製菓inトレーニングラボ
inブランドが契約するトップレベルのアスリートを最先端のトレーニングや栄養指導などを通じてサポートする施設。
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