みちのくコカ・コーラボトリングがスポンサー契約でバックアップ 北東北地域初として誕生した花巻東高の女子硬式野球部は、今年…
みちのくコカ・コーラボトリングがスポンサー契約でバックアップ
北東北地域初として誕生した花巻東高の女子硬式野球部は、今年で創部3年目を迎えた。言うに及ばず、同校は菊池雄星(現ブルージェイズ)や大谷翔平(現エンゼルス)の母校として広く知られるが、男子の硬式野球部と同じユニホームを身にまとう女子硬式野球部は、年々その実力を高めている。そんなチームに強力な援軍が加わることが発表されたのが、5月18日のこと。地元・岩手に本社を置く「みちのくコカ・コーラボトリング株式会社」とオフィシャルスポンサー契約を締結した。
女子硬式野球部としては、画期的な試みだ。いや、学生スポーツ界全体を見渡しても、新たな道が切り開かれたと言っても言い過ぎではないだろう。近年、企業と学校の部活動がスポンサー契約を結ぶ例はあるが、花巻東女子硬式野球部をサポートすることになった同社にとって、学生スポーツのチームと直接的なスポンサー契約を結ぶのは初めてだという。みちのくコカ・コーラボトリング株式会社の代表取締役社長である谷村広和氏はこう話す。
「プロスポーツにおけるスポンサー契約は完成されたものになってきましたが、学生スポーツのチームで、ユニホームに社名ロゴを入れさせてもらうのは我々にとって初めてです」
サポート初年度とあって現段階での支援内容は明確になっていないが、同氏は将来的なビジョンを描く。
「たとえば、練習の道具、あるいは飲料会社として試合で飲む飲料水の提供などを考えています。チームのニーズを聞きながら、これからサポートを進めていきたいと思っています」
学生スポーツ界のモデルケースになり得る存在
地域密着と地方創生。
花巻東女子硬式野球部という単体での取り組みではあるが、今回の試みにはそれらの言葉が浮かぶ。学生スポーツ界の新たなモデルケースになり得る可能性が十分にありそうだ。創部から指揮を執る三鬼賢常監督は言う。
「部員13人でスタートした女子硬式野球部。今年は新たに26人が加わり、今では計71人の大所帯になりました。今回のサポート体制に感謝しながら、日本一を狙っていくチームにしていかなければいけないと強く思っています」
萩原日和主将にも同じような思いがある。
「多くの支えがあって、私たちは野球ができています。そのことに感謝し、これからも地域のみなさんに明るい話題を届けられるように頑張りたい」
地域の学生を応援したいという純粋な気持ち。そして、岩手県全体が盛り上がってほしいという願い。谷村社長の心のど真ん中にあるそれらの思いは、チームの大きなエネルギーになっていく。花巻東女子硬式野球部に吹く新たな風。そこには、未来へつながる希望が溢れている。(佐々木亨 / Toru Sasaki)