「ブレッドマン」の異名で知られるエドワーズ氏が勝敗予想 ボクシングのWBAスーパー&IBF世界バンタム級王者・井上尚弥(大橋)は6月7日に行われるWBC同級王者ノニト・ドネア(フィリピン)との王座統一戦に挑む。米有名トレーナーは井上勝利が順…

「ブレッドマン」の異名で知られるエドワーズ氏が勝敗予想

 ボクシングのWBAスーパー&IBF世界バンタム級王者・井上尚弥(大橋)は6月7日に行われるWBC同級王者ノニト・ドネア(フィリピン)との王座統一戦に挑む。米有名トレーナーは井上勝利が順当と予想する一方で、ドネアの天性の当て勘を評価。「井上をKOしても全く驚きはない」と絶賛している。

 あと3週間に迫った井上&ドネアの「ドラマ・イン・サイタマ」第2戦。「ブレッドマン」の異名で知られる米国のトレーナー、スティーブン・エドワーズ氏は米ボクシング専門メディア「ボクシングシーン.com」で読者との恒例のQ&A企画に登場。読者からの勝敗予想に関する質問に応じている。

 前回対戦の2019年ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)決勝でドネアのフックを被弾し、眼窩底・鼻骨骨折などダメージを負った井上について、エドワーズ氏は「イノウエはノニトに対してよりボクサースタイルで戦うだろう。ドネアへのKOを試みた時よりもアウトボクシングの時の方が成功していた。ドネアはイノウエのリズムを破るためにジャブを多めに狙うと予想する」と分析。モンスターは接近戦ではなく、距離を取ってドネア攻略を目指すと予想した。

 一方、不惑手前のドネアの健在ぶりをエドワーズ氏は「過去30年以上のファイターの中で最も野心的」と評価。最強王者の井上に敢えて再び挑み、4団体統一王者を目指す姿勢に注目した。シュガー・レイ・レナード、ロベルト・デュラン、イベンダー・ホリフィールド、トーマス・ハーンズらボクシング界レジェンドの名前を引き合いに出しながら、フライ級からフェザー級まで強敵と戦い続けた実績から「ドネアは彼ら全員を凌駕するかもしれない」と絶賛している。

あくまで本命は井上も「ノニトには神から授かったタイミングがある」

 そして、フィリピンの英雄である6階級制覇王者マニー・パッキャオとドネアを比較。「キャリア序盤に比較されたマニー・パッキャオのようにはなれなかったことはわかっている。だが、パッキャオがマイケル・ジョーダンだとすれば、彼はコービー・ブライアントだ」とエドワーズ氏は持論。米NBAの二大スーパースターを例に、2人の偉大さを評した。

 そんなドネアについて、井上相手に勝機はあるとエドワーズ氏は見ている。「私はノニトがイノウエを完璧にKOしたとしても、驚きはない。全くない。ノニトには神から授かったタイミングがある。自分では説明できないかもしれないが、彼はそれを応用する術を熟知している」と指摘。当て勘を絶賛し、ドネアが勝っても「驚きは全くない」と断言した。

 しかし、あくまでも本命は井上。「イノウエがこのファイトで勝つだろう。10歳以上若い。ただただ才能とスキルを兼ね備えている」と分析する一方で、「どちらも殺人者だ。謙虚だが、獰猛な人間なのだ」と指摘。紳士として有名な2人の死闘再びを予想していた。(THE ANSWER編集部)