スコアボードには9つの『0』が並んだ。土曜日の試合が雨で流れ日曜日のきょう、立大との1回戦を迎えた早大。先発・小島和哉(スポ3=埼玉・浦和学院)は安定した投球を披露し立大打線を封じ込める。4回、好機をつくり、8番に入った佐藤晋甫主将(教4=広島・瀬戸内)の適時打で先制に成功。その後は立大の先発・田中誠也(2年)を打ち崩すことができず、得点を挙げることはできなかった。しかし、小島の直球の勢いは最後まで衰えず、自身初となる2安打完封。1−0で立大に先勝し優勝に向け一歩前進した。

「言い訳をせずに、マウンドに上がればしっかり投げるのがエースの使命」(小島)。頼れる男がマウンドに戻ってきた。明大1回戦以来の登板となった小島だ。ケガの不安は一切感じさせず、キレのある直球と変化球を低めに集め、テンポよくアウトを積み重ねていく。打線は4回に加藤雅樹(社2=東京・早実)の二塁打から1死三塁の好機をつくる。すると6番・織原葵(社4=東京・早実)の2球目、ベンチはスクイズを選択。だがこれは、立大バッテリーに読まれており、ウエストされ加藤はタッチアウトとなった。ここで好機はついえたかと思われたが、織原が左翼フェンス直撃の二塁打を放つ。その後1死三塁となり打席に立ったのは、5番から8番に打順が下がった佐藤晋。不振に苦しんでいた主将が先制点をもたらす。「自分が1点取れればと食らいついた」(佐藤晋)。2球目を捉え左前適時打。打順の組み替えが功を奏した。

先制打を放ち塁上で笑みを浮かべる佐藤晋

追加点を挙げ、さらに小島を援護したい早大打線。しかし、立大のエース田中誠の投球に翻弄(ほんろう)され1点が精いっぱいだった。低めの変化球にバットは空を切り、力のある直球に押された。8回裏無死から俊足の八木健太郎(スポ4=東京・早実)が四球で出塁するが、犠打の失敗も響き得点は奪えない。だが小島は中盤以降も立大打線を寄せ付けず、1点のリードを守り続ける。ヒヤリとさせられたのが8回表。8番打者に左翼ポール際への大飛球を打たれる。しかし判定はファウルとなり、スタンドからはどよめきが上がった。この場面以外は失点の気配を感じさせず、二塁すら踏ませない。許した走者は9回でわずかに3人。最後の打者は外角への速球で空振り三振に仕留め試合を締めた。

リーグ戦初完封を果たした小島

復帰したエースの快投で1点を守りきる見事な完封勝利。『守り勝つ野球』を体現する理想的な展開に髙橋広監督(昭52教卒=愛媛・西条)は「最高の勝ち方だった」と目を細めた。勝ち点2で5チームが並ぶ大混戦の中、立大に先勝した価値は大きい。救援投手を温存できたことも好材料だ。連勝し勝ち点を挙げれば、最終カードの早慶戦まで確実に優勝の可能性が残る。「この勢いを大事に一戦必勝で連勝できるよう全員で頑張る」と佐藤晋主将。目の前の一戦を確実に取り、3季ぶりの覇権奪還へと突き進む。

(記事 新津利征、写真 皆川真仁、廣田妃蘭、岡田静穂)