町田瑠唯(ワシントン・ミスティクス)のWNBAでの活躍が徐々に勢いづいてきた。日本時間5月14日(北米時間13日)にワシントンD.C.のエンタテインメントアンドスポーツ・アリーナで行われたダラス・ウイングスとの試合で町田はスターターとして…

 町田瑠唯(ワシントン・ミスティクス)のWNBAでの活躍が徐々に勢いづいてきた。日本時間5月14日(北米時間13日)にワシントンD.C.のエンタテインメントアンドスポーツ・アリーナで行われたダラス・ウイングスとの試合で町田はスターターとして出場。デビュー以来最長の30分52秒間プレーして3Pショット2本を含む8得点にキャリアハイとなる7アシスト、キャリアハイ・タイの4リバウンドとデビューから4試合で最高と言える数字を記録した。ミスティクスは86-94で敗れたものの、町田は±でも+3。出場している時間帯の存在感は大きかった。

 

 

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 ミスティクスは第1Qには29-19とリードを奪っていた。町田はこのクォーターだけで4アシストを記録し、バックコートの要であるナターシャ・クラウド(安全衛生プロトコル)が不在の中でもチームに良い流れをもたらすことができていた。また、2本成功させた3Pショットはいずれも、2ケタ点差で劣勢に立たされた第4Qにチームを鼓舞する追撃弾。最大で17まで広がった点差を最終的に8まで詰めた終盤のランでも町田は良い流れを作った。

 

 第4Q残り6分4秒の最初の1本は、62-77と15点差を追う苦しい場面で、スターティング・センターのマイシャ・ハインズ-アレンのオフェンス・ファウルがフレグラント2の判定となり退場させられてしまった後、悪い雰囲気を吹き飛ばす一撃だった。2本目も、残り3分9秒で76-86と10点差に迫る価値ある1本。町田はこの時間帯にアシスト3本を記録しており、フロア・ジェネラルとして堂々たる仕事ぶりだった。


 町田はここまでのミスティクスが戦った4試合すべてに出場しており、そのうち直近の2試合ではスターターを務めている。アベレージは4.8得点、2.8リバウンド、4.0アシスト。パス能力やスピード、ディフェンス力に加えて武器としたい3Pシューティングに関しても、この日の試合で3本中2本を成功させたことにより、通算7本中3本成功の42.9%まで上げてきた。この中でアシストと3P成功率はリーグ全体の上位25位以内に入るハイレベルな数値だ。この日を終えて3勝1敗(勝率.750)の成績でリーグ首位のミスティクスにあって、初の海外挑戦で渡米から3週間たっていない時点ということを思えば、高い評価ができるパフォーマンスだ。デビュー戦以来得点が2→0→9→8、アシストも2→3→4→7と上昇傾向にあることを見ても、チームメイトとのコミュニケーションや信頼関係の高まりとともに、東京2020銀メダリストかつアシスト王の実力が発揮され始めていることが感じられる。


 町田とミスティクスの次戦は日本時間5月18日(水=北米時間17日[火])で、この日と同じウイングスと今度はアウェイで対戦する。

 

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文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)