スペイン・マドリッドで開催されている「ムトゥア マドリッド・オープン」(ATP1000/5月7~14日/賞金総額543万9350ユーロ/クレーコート)の男子シングルス準決勝でラファエル・ナダル(スペイン)に2-6 4-6で敗れ、5大会連続…

 スペイン・マドリッドで開催されている「ムトゥア マドリッド・オープン」(ATP1000/5月7~14日/賞金総額543万9350ユーロ/クレーコート)の男子シングルス準決勝でラファエル・ナダル(スペイン)に2-6 4-6で敗れ、5大会連続で決勝にも進出していない今シーズン不調のノバク・ジョコビッチ(セルビア)だが、今後については楽観的に構えている。

「とてもポジティブな1週間、ポジティブな経験だった。来たるローマに向けて、ネガティブなことよりポジティブなことに注意を向けるよ。このままよりよく、より強くなっていきたいね」と第2シードだったジョコビッチは今後に向けて、手ごたえを掴んでスペインをあとにした。

「もっといいプレーができたとは思うけど、相手が悪かったよ。また気持ちを入れ替えないとね。今大会はいい結果が出せたと思う。ローマでもいい結果を出したいね」とジョコビッチはコメントした。

 昨年の全仏王者のジョコビッチにとって、ローマ(ATP1000/クレーコート)は全仏オープン前に出場する最後の大会となる。

「ふたたび大きな大会の準決勝で、人生最大のライバルのひとりと戦うというのはすごくいいものだった。もう何ヵ月も、この感覚を味わっていなかった。素晴らしいフィーリングだ」とジョコビッチは試合を振り返った。

 ジョコビッチは今シーズン序盤にドーハ(ATP250/ハードコート)でタイトルを獲得したのを最後に、準決勝にまで進出した大会はなかった。今大会も第6シードの錦織圭(日清食品)が右手首の故障で棄権したため、不戦勝で勝ち上っての準決勝進出だった。ジョコビッチ自身も今シーズンは肘の故障で休養していた時期があり、マドリッドまでの戦績は14勝4敗にとどまっていた。

 昨年はマドリッドでシーズン5勝目を挙げ、その時点での戦績は32勝2敗だった。今大会の準決勝でナダルに敗れたことにより、今季の5敗目を喫した。対ナダル戦では2014年全仏オープン決勝で敗れて以降、7連勝中であった。

「ここ数日は肉体的にも精神的にも充実していて、プレーの調子もよかった。僕は全力を尽くしたよ。対戦相手が自分よりいいプレーをして負けたのだから、相手におめでとうと言うしかないよね。ほとんどの場面で、ラファは僕を上回るプレーをしていたよ。でも今大会で得られたこともたくさんあったよ」とジョコビッチは大会を振り返った。

 今シーズンのジョコビッチは、全豪オープンの2回戦でデニス・イストミン(ウズベキスタン)に、アカプルコ(ATP500/ハードコート)の準々決勝とインディアンウェルズ(ATP1000/ハードコート)の4回戦でニック・キリオス(オーストラリア)に、今季クレー初参戦のモンテカルロ(ATP1000/クレーコート)ではダビド・ゴファン(ベルギー)に準々決勝で敗れている。

「ジョコビッチがまた世界ナンバーワンになるには、プレーのレベルをもっと上げないといけないし、できるだけ多くの試合に勝たないといけない。今の彼のレベルは、以前ほど高くないのは事実だよね。だけど彼は長年高いレベルを維持してきたし、僕にも経験があるけど、ナンバーワンをずっと維持することなんてほとんど不可能なことだと思うよ」とナダルはジョコビッチについて語った。

 長年のコーチであったマリアン・バイダと、ほかの2人のチームメンバーとの決別から、今回がジョコビッチにとって初の大会出場だった。「これからは僕自身ただ頑張るだけだし、3、4週間後にはこれからのチームについての決断を下そうと思っているよ」とジョコビッチはコメントした。(C)AP(テニスマガジン)

※写真は「ムトゥア マドリッド・オープン」(ATP1000)の準決勝で敗れた世界2位のノバク・ジョコビッチ

Photo:MADRID, SPAIN - MAY 13: Novak Djokovic of Serbia reacts against Rafael Nadal of Spain in the semi finals during day eight of the Mutua Madrid Open tennis at La Caja Magica on May 13, 2017 in Madrid, Spain. (Photo by Julian Finney/Getty Images)