日本代表がズラリと並んでいた。勝って当たり前と思う人は多いだろう。そんなプレッシャーの中で勝ち切った。 太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ2017第1戦・秋田大会の2日目(最終日が)が5月14日におこなわれ、アルカス熊谷が優勝した。ファイ…

 日本代表がズラリと並んでいた。勝って当たり前と思う人は多いだろう。そんなプレッシャーの中で勝ち切った。
 太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ2017第1戦・秋田大会の2日目(最終日が)が5月14日におこなわれ、アルカス熊谷が優勝した。ファイナルの相手は北海道バーバリアンズディアナ。26-0の完勝だった。

 大会MVPに選ばれた山中美緒主将をはじめ、決勝で先発した7人は全員がサクラセブンズの経験者だ。勝てばいい。そんなわけにはいかないだろう。日本の女子ラグビー界を牽引する立場として内容も求められた。
 見つめる人たちの、そんな無言の要求にも応えられたと言っていいだろう。準々決勝以降、RKUラグビー龍ケ崎GRACE、日体大ラグビー部女子、北海道バーバリアンズディアナと戦っての失点は5点だけだった。
 山中主将は言った。
「今季は全部勝つつもりです」
 昨季は4大会中1度しか頂点に立てなかったけれど(年間総合成績2位)、今シーズンは来週の東京大会、10月の保土ヶ谷大会、11月の富士山裾野御殿場大会のすべてで笑いたい。昨年はリオ五輪があり、多くの代表選手を欠いた布陣だったとはいえ、一度は失った常勝の文化をクラブに復活させる覚悟だ。

 決勝の前半は7-0だった。ただ僅差も、ほとんどの時間を敵陣で過ごしていた。決定機にミスが出てスコアできなかったものの、6分30秒過ぎに中嶋亜弥(旧姓:竹内)がゴールポスト下に飛び込む。慌てることなく、流れを引き寄せていった。
 後半も終始押し気味にゲームを進め、3分に中村知春、6分にバティヴァカロロ ライチェル海遙、試合終了間際に谷口令子がインゴールに飛び込んだ。
 パワーでこじ開けるシーンはなかった。相手の自滅に助けられたわけでもない。中西貴則ヘッドコーチは、「フィットネスと判断力で上回れた」と評価した。

 2日目の順位決定戦に入ってからの各試合の結果は、トーナメント初日のプール戦からは予想し難いものが相次いだ。前日のリベンジを果たすチーム多数。修正を施して常勝したチームもあった。プールBの3位からファイナリストとなった北海道バーバリアンズディアナが良い例だ。
 今年が4年目となる大会史の中でもっとも優勝回数の多いチームが優勝したけれど、草創期の頃とはわけが違う。初日から2日目が予想できないように、今週の結果は来週のことを何も約束しない。
 ただ5月20日、21日の秩父宮での争いが、秋田以上に熾烈なものになることだけは間違いなさそうだ。