国内メジャー初戦・ワールドレディスサロンパス杯初日 女子ゴルフの国内メジャー今季初戦・ワールドレディスサロンパス杯が5日、茨城GC西C(6680ヤード、パー72)で開幕した。初日の前半組では、山下美夢有(加賀電子)がトーナメントコースレコー…

国内メジャー初戦・ワールドレディスサロンパス杯初日

 女子ゴルフの国内メジャー今季初戦・ワールドレディスサロンパス杯が5日、茨城GC西C(6680ヤード、パー72)で開幕した。初日の前半組では、山下美夢有(加賀電子)がトーナメントコースレコードの64をマークして首位に立っている。硬く速いグリーン、深いラフの厳しい設定下で8バーディー、ボギーなし。直近3試合は予選落ちだったが、ショットのリズムを意識することで復調した。この日は母・有貴さんの誕生日。最終日の「母の日」にはメジャー初優勝を贈るつもりだ。

 12番パー5。山下の放った第3打だが、右のエッジから4.5ヤードに切られたピンに向かった。残り126ヤードから、高い弾道で着弾した球はピンそば20センチに止まった。右に外せば、急傾斜でボールが落ちる状況で5つ目のバーディーを奪った。

「あれはピンの3ヤードぐらい左を狙ったのですが、それがちょっとタイミングが合わず、ピン20センチについた感じです(笑)。他のホールもピンは狙っていなくて、グリーンセンターに落とすイメージで打って、2メートル、3メートルについた感じです」

 奪った8バーディーは全てショットをピン5メートル以内、7つが3メートル以内につけたものだった。持ち球のドローと硬いグリーンで転がる距離も計算し、攻め続けた。12番のような「ラッキー」もあったが、67で回った同組の永峰咲希に「美夢有ちゃんの全てが素晴らしくて引っ張られた」と言わしめるほど、ショット、パットが冴えわたった。

 突然の復調だった。今季は2試合でトップ5に入っているが、直近3試合は予選落ち。復調のためにしたことは、「おいしいものを食べての気分転換」と「ショットのリズムを意識すること」だったという。

「新世紀世代」の同い年・西郷真央の活躍が刺激に

「家で焼き肉を食べました。赤身が好きなのでハラミとかですね。ショットについては、トップで少しの間を置くリズムを意識しました。それが良かったと思います」

 結果、手にしたトーナメントレコード。ワールドレディスサロンパス杯は、09年から茨城GCの東西C各18ホールで開催されているが、西Cでのレコードは14年の勝みなみ(当時アマ)らがマークした65だったが、山下が1打更新。会見では「一打に集中していたので、(ラウンドが)終わってから知りました」と驚きつつ、「自信になりました。今日は(観戦に来た)母の46回目の誕生日なので、いいプレーを見せることができて良かったです」と笑みを浮かべた。

 山下は笹生優花、西郷真央と同じ2001年度生まれの「新世紀世代」。ツアーデビューシーズンの昨季に初優勝を飾った。昨季2位が7度の西郷に先んじての1勝だった。しかし、今季は西郷が7戦4勝。山下は「刺激になるか」と問われると、「はい」と即答するも、「私は自分のプレーをしっかりとするだけです」と前を向いた。

 ただ、初日のプレーを終えたばかり。山下は優勝スコアを「12アンダー」と予想しており、油断できる状況にはない。家族は残り3日も応援に訪れるが、試合中のため、山下は「まだ母への誕生日プレゼントを用意できていません」と言った。

 そして、最終日の8日は「母の日」。多くの選手が「母への恩返し優勝」を狙う中、山下はツアー2勝目、メジャー初Vで母の誕生日も祝うつもりだ。(THE ANSWER編集部・柳田 通斉 / Michinari Yanagida)