井上尚弥のバンタム級に新展開、バトラーが昇格で対抗王者に ボクシングのWBOは3日(日本時間4日)、世界バンタム級王者ジョンリエル・カシメロ(フィリピン)から王座を剥奪すると発表した。先月22日(同23日)に英リバプールで同級1位ポール・バ…

井上尚弥のバンタム級に新展開、バトラーが昇格で対抗王者に

 ボクシングのWBOは3日(日本時間4日)、世界バンタム級王者ジョンリエル・カシメロ(フィリピン)から王座を剥奪すると発表した。先月22日(同23日)に英リバプールで同級1位ポール・バトラー(英国)との5度目の防衛戦を予定していたが、英ボクシング管理委員会(BBBoC)の規定違反により中止に。代替開催された暫定王座決定戦に勝利したバトラーが、正規王座に昇格することも発表された。

 BBBoCでは試合前の減量目的によるサウナ使用に関する厳格な規定を設けているが、カシメロは英国到着後に減量のためにサウナを利用。自身のYouTubeに映像を公開したことで試合中止を招いていた。WBOはすぐに王座剥奪とせず、陣営に対して48時間の猶予を与え、釈明を求めていた。

 今回、WBOは「世界王座委員会の決定」として裁定内容を発表。WBO執行委員会に対し、王座剥奪をするよう「全会一致」で勧告したという。さらに同執行委員会も全会一致で勧告を支持。同級4位ジョナス・スルタン(フィリピン)との暫定王座決定戦に判定勝ちしたバトラーを正規王座に昇格させることも決まった。ただし、カシメロのWBO世界ランクは1位になるという。

 カシメロは昨年8月にWBC王者ノニト・ドネア(フィリピン)と対戦予定だったが、ドーピング検査の拒否を示唆したことを引き金に、ドネアが試合をキャンセルした。同12月にはUAEでバトラーと指名試合で予定だったが、胃腸炎を理由に計量をキャンセル。試合は中止された末、今回の日程で再設定。1年間で3度目の試合消滅だった。

 同級にはWBAスーパー&IBF王者に井上尚弥(大橋)が君臨。6月7日にさいたまスーパーアリーナでドネアと3団体統一戦に臨む。4団体統一を掲げていただけに、WBO王座の新展開が今後のマッチメークに影響する可能性もある。(THE ANSWER編集部)