スペイン・マドリッドで開催された「ムトゥア マドリッド・オープン」(WTAプレミア・マンダトリー/5月6~13日/賞金総額592万4318ユーロ/クレーコート)の女子シングルス決勝で、前年度優勝者で第3シードのシモナ・ハレプ(ルーマニア)…

 スペイン・マドリッドで開催された「ムトゥア マドリッド・オープン」(WTAプレミア・マンダトリー/5月6~13日/賞金総額592万4318ユーロ/クレーコート)の女子シングルス決勝で、前年度優勝者で第3シードのシモナ・ハレプ(ルーマニア)が第14シードのクリスティーナ・ムラデノビッチ(フランス)を7-5 6-7(5) 6-2で破り、2年連続の優勝を決めた。

「タイトルを防衛することができて、素晴らしい気分だわ。すごく大きな大会だから、より大きな大会で勝っていくための自信を得ることができる」と、ハレプ。「実際、私は自分が大きな大会で勝てるテニスを擁していると感じているの。私はただ、メンタル面でより安定性を持たなければならないだけ。今日ちょっぴりその面で苦しんだ時間帯もあった。でも最後には、私のほうが強かった。メンタル的に、私の方が上だった。実際、集中し続けられたことを誇りに思うわ」

 実際、このずぶとさ、精神的強さが、ハレプの最大の武器なのだろう。必ずしも顔の上に出ているものからすべてを判断できないとはいえ、ややナーバスに見えたムラデノビッチと比べ、ハレプは試合の大部分で好戦的な表情を保ち、危ない場面でも強気の姿勢を崩さなかった。第2セットで先にブレークを果たしながら巻き返されたときには、苛立ってラケットを投げてから蹴り、危うくそれがボールボーイに当たりかかった場面もあったが、そのあとの切り替えも早かった。

 プレーだけ見れば、恐らくネットプレーもドロップショットもうまく、ベースラインからアグレッシブにもなれるムラデノビッチの方が、よりプレーに多様性がある。タイブレークでのムラデノビッチは、走らされながらも鋭いダウン・ザ・ラインを打ちこむ気迫も、ラリーで振り回されながら、‶ランニング・ドロップショット″を放って決める、判断力と技術力、度胸も見せた。

 しかし全体に見て、ハレプのほうがよりメンタル的に頑丈で、それゆえ概してピンチをうまく切り抜け、重要ポイントをつかんだのである。

 一方、前日の準決勝で背中を少し痛めていたというムラデノビッチは、「素晴らしい試合だったので、背中について話したくないわ」としながらも、「昨日痛めたのだけれど、外には見せないようにし、考えないようにし、プレーを楽しみ、最後まで戦い続けようとした。私は全力を尽くそうとしていた」と言い添えた。

「この決勝は素晴らしいものだった。お互いに疲れていたと思うけれど、2時間半、コート上で戦い続け、双方が最高のテニスをするよう自分たちを駆り立てた。本当によく走ったわ。もちろん、この素晴らしい1週間を準優勝者として終える、というのは辛いことだけど、ときにはそれがスポーツの美しさなの」とムラデノビッチは言った。

「闘志、戦う姿勢、素晴らしいプレー。私は、我々ふたりが今日見せたものを誇りに思う。この経験は、ポジティブなものにほかならないわ」(テニスマガジン/Tennis Magazine)

※写真は「ムトゥア マドリッド・オープン」で2連覇を達成したシモナ・ハレプ

Photo:MADRID, SPAIN - MAY 13: Simona Halep of Romania celebrates defeating Kristina Mladenovic of France in the final during day eight of the Mutua Madrid Open tennis at La Caja Magica on May 13, 2017 in Madrid, Spain. (Photo by Julian Finney/Getty Images)