静岡県高野連のメディカルサポート代表、腰の怪我をチェックする方法実演 今年4月、静岡県掛川市で少年野球チームを立ち上げた…

静岡県高野連のメディカルサポート代表、腰の怪我をチェックする方法実演

 今年4月、静岡県掛川市で少年野球チームを立ち上げた理学療法士の男性が、子どもたちの怪我の重症化を防ぐ提言を行った。肩や肘に加え、成長期に注意が必要なのは腰の怪我。ここでは症状の重さをチェックする方法を、動画で解説する。

 新たに発足したチームは、小学1年生から6年生を対象にした軟式野球チーム「グッドフェローズ」。創設したのは、理学療法士の甲賀英敏さんだ。20年ほど前から、夏の高校野球静岡大会でメディカルスタッフとして選手のコンディションをチェックし、現在は県高野連のメディカルサポート代表を務めている。

 かつてはエースが連投して1人で投げ抜く戦い方が当たり前だった高校野球にも球数制限が設けられ、肩や肘の故障を防ぐ取り組みが進んでいる。少年野球でも球数制限に加えて、今年から全日本軟式野球連盟が「試合時間・イニング数の短縮」と「ホームベースのサイズ変更」を導入した。投手や捕手がボールを投げる回数を減らし、体への負担を軽減するのが目的だ。

 理学療法士として、投げすぎで怪我をした子どもたちを見てきた甲賀さんは「成長途中の体には、できる限り負担をかけない方が良いので、正しい方向に向かっていると思います」と少年野球のルール改正を歓迎している。指導者にも、選手の怪我を予防する意識が広がっている。それでも、体に負担をかけすぎたり、初期段階での対応を誤ったりして、野球をあきらめる選手がいる。甲賀さんは、怪我を防ぎ、重症化を避けるために「病院のかかり方」について提言する。

重症化のリスクがあるか、チェックの方法を動画で解説

 高校球児の間では、体に痛みや違和感が出たら専門医に見てもらうという考え方が浸透しているのに対し、少年野球では単純に「整形外科に行っておけば大丈夫」と考える保護者や指導者が少なくないという。中には野球による怪我に詳しい整形外科医もいるが、専門外の場合もある。

 例えば、成長が早い子どもが注意すべき「腰椎分離症」は、初期段階ではレントゲンで発見できない。MRIでの画像診断が必要で、ほとんどの整形外科や整骨院には設備がない。甲賀さんは「レントゲンでは問題ないと診断されて、時間が経ってから別の大きな病院でMRIを受けたら分離症が進んでいたケースもあります。重症化する前に元の体へ戻すため、早い段階で正確な判断、診断が必要です」と訴える。

 腰に痛みを感じた場合、腰椎分離症の疑いがあるのかチェックできる方法があるという。前屈して痛いなら、筋肉の張りによる腰痛や筋・筋膜性腰痛、ヘルニアと推測できる。一方、背中を反って痛みがある時は、分離症の可能性がある。甲賀さんは、痛みが1~2週間続くようならMRIによる診断を受けるよう勧めている。分離症は早期に判明すればコルセットの着用で回復する。しかし、対応が遅れると骨が折れて分離し、治るまでに時間がかかる。

 子どもたちが怪我をしないよう、成長に合わせた環境づくりが必要なのは言うまでもない。同時に、怪我をした時に重症化させない意識や行動も不可欠だ。(間淳 / Jun Aida)