「ワンプレーごと止まっていたら「お前はジダンか?」「止まってプレーしていいのはジダンだけだ!」散々言われた言葉。 「2つ先いや、3つ先まで考えろ!」 常に考え先を読むこと。イメージを持つこと。サッカーをする事を考えることは初めてオシムさんに…

「ワンプレーごと止まっていたら「お前はジダンか?」「止まってプレーしていいのはジダンだけだ!」散々言われた言葉。 「2つ先いや、3つ先まで考えろ!」 常に考え先を読むこと。イメージを持つこと。サッカーをする事を考えることは初めてオシムさんに教わった。」

神奈川県・社会人リーグ1部「はやぶさイレブン」でプレーする元サッカー日本代表の水野晃樹が1日深夜、自身のTwitterでかつての恩師イビチャ・オシム氏に想いを綴った。

「聞きたいことが山ほどあった。 あの頃は若くてサッカーを知らなくてついて行くだけしか出来なかったから自分の意見も何もなかった。けど今はたくさんある。あったよ、オシムさん。 会って抱きついて泣きたかったよ。 オシムさん 本当にありがとうございました。 最高の指導者の元、最高の時間でした。」

数年前、日本テレビのインタビューでオシム氏は「最高のプレーヤーは、Koki(水野晃樹)」と発言している。しかし、ジェフ千葉時代に培った水野との独特すぎる師弟関係は、あまり多くのメディアには報じられていない。

サッカー元日本代表監督を務めた蹴球人、イビチャ・オシム氏が1日朝、オーストリアのグラーツで死去したことを世界中のメディアが伝えている。81歳の誕生日となる6日を前に突然死だったようだ。葬儀は、ボスニア・ヘルツェゴビナで執り行われる予定と報じられた。

1941年、旧ユーゴスラビア(ボスニア・ヘルツェゴビナ)のサラエボで生まれ、靴下を丸めた布をボール代わりにサッカーを学んだ少年時代のエピソードは有名だ。ユーゴ代表選手として1964年の東京五輪に出場し、引退後は指導者の道へ。2003年、「ジェフ市原(ジェフ千葉)」に当時GMを務めた祖母井氏による熱烈なラブコールで電撃来日を実現する。

走りながら考えるサッカーを軸に「休みから学ぶものなど何も無い」などの「オシム語録」でJリーグのみならず、日本のスポーツメディアを唖然とさせ、ピッチ内外で多くのインパクトを残した。2005年には、クラブ初タイトルとなるナビスコカップ(ルヴァンカップ)優勝に導く。しかし、試合後の胴上げを断固拒否。「PK戦は見たくない」と試合中にロッカーに引き返す、という繊細でミステリアスな一面も話題を集めた蹴球人。

2006年ワールドカップ(W杯)ドイツ大会後の同年7月、ジーコ監督の後を受けて日本代表監督に就任。

2010年W杯南アフリカ大会を目指していたが、2007年11月に急性脳梗塞で倒れ、岡田武史氏が後任となった。オシム氏が急性脳梗塞で倒れる前日夜は、極寒の千葉県習志野市・秋津グラウンドで練習試合を行う「ジェフ千葉」の様子をこっそりと視察しており、報道翌日の千葉サポーターたちは驚きとショックで大混乱。筆者も現場に居合わせただけに当時、パニック状態になったことを記憶している。

名将オシム氏は、人間イビチャ・オシムとしても、多くのサッカーファン・サポーターから絶大な支持を得た。

好きな食べ物は、焼き魚とポンカン。グラーツからのお土産は、オシムさんお気に入りの「乾燥イチジク」が定番アイテム。大きな乾燥イチジク入りの箱を練習場に自ら持参し、取材メディアやクラブ関係者に配るよう、顔見知りの記者に迅速な指示を出すユニークな一面も人気のひとつ。

和食や日本酒もこよなく愛していたものの「日本人の心を読むために飲んでいる」と常に話しており、日本を離れる最後の最後まで「日本酒が大好きだ」とは決して言わないお茶目な性格も記憶に新しい。

ジェフ時代は、サッカー談義を市原市内の中華ファミリーレストラン「バーミヤン」で行なっていた。オシムさん自ら「バーミヤンなら深夜でも空いているだろう」とクラブ関係者に自ら声を掛け食事に誘っていたというエピソードは有名だ。当時の市原市内では目撃情報も多く、姉ヶ崎(あねがさき)付近のローソンでミックスサンドを購入する姿など多数のオシムさん情報が寄せられたという。

文/スポーツブル編集部

いまだにオシム元監督のジャージ姿が頭から離れないファン・サポーターは多いはずです。水野晃樹さんのTwitterを拝見し、私も涙が止まらなくなりました。大(だい)さんのTwitterでシェアされた胴あげ拒否の名シーン、結城さんや勇人さんの笑顔も涙が出るほど懐かしいですね。

オシムさんへ、これからは天国でゆっくりと世界中のサッカーを見守ってください。そして時々、日本酒と焼き魚をお召し上がりになりながら、日本サッカーの改善点もこっそりとピッチの選手たちに教えてあげてくださいね。グラーツからはちょっと遠いですが、いつでも日本に遊びにきてください。日本のサッカーファン・サポーターが両手広げて待ってます。アシマ夫人に怒られぬよう、ワインの飲み過ぎだけは気をつけてくださいね。