スペイン・マドリッドで開催されている「ムトゥア マドリッド・オープン」(WTAプレミア・マンダトリー/5月6~13日/賞金総額592万4318ユーロ/クレーコート)の女子シングルス準決勝が行われ、前年度優勝者で第3シードのシモナ・ハレプ(…

 スペイン・マドリッドで開催されている「ムトゥア マドリッド・オープン」(WTAプレミア・マンダトリー/5月6~13日/賞金総額592万4318ユーロ/クレーコート)の女子シングルス準決勝が行われ、前年度優勝者で第3シードのシモナ・ハレプ(ルーマニア)がアナスタシア・セバストワ(ラトビア)を6-2 6-3で倒し、2年連続の決勝進出を決めた。

「素晴らしい感慨だわ。私はここで3度決勝に至った最初の女子選手なのだと聞いたけど、そうなれてうれしい」とハレプは言った。

「今年の序盤はいい成績が出せず、とても厳しかったら、期待していたわけではない。でも難しいときを乗り越えることができた自分を誇りに思う。そして今、私は決勝までたどり着いた」

 ハレプはまた、簡単そうなスコアにも関わらず、出だしでは非常に緊張したと認めていた。

「なぜかは分からないけど、ナーバスになった。決勝にいきたいという気持ちが強すぎたせいかもしれない。またセバストワは倒すのが難しい選手だと自覚していたせいかもしれない」とハレプは言う。

「楽に呼吸ができず、試合を通してすごく疲れを感じていた。でもメンタル的なものね。ダブルスをプレーしたあと、体がリラックスして、今はすごくいい気分よ。あの(シングルスの)コート上での感じは思い出したくもない。でも今はすべてOKよ」

 ハレプは、同胞のイリナ カメリア・ベグ(ルーマニア)と組んだダブルスでも準決勝に至ったが、ここでは、ティメア・バボス(ハンガリー)/アンドレア・フラバチコバ(チェコ)に4-6 2-6で敗れていた。

 一方、第14シードのクリスティーナ・ムラデノビッチ(フランス)と第8シードのスベトラーナ・クズネツォワ(ロシア)の友人対決では、6-4 7-6(4)でムラデノビッチに軍配が上がった。

 お互いにショットに多彩さを持つふたりの対決で、ストローク、ボレー、スマッシュ、ドロップショットと様々なショットが見られる接戦となったが、最後のタイブレークで重要なところでクズネツォワにミスが出たこともあり、要所でアグレッシブさを見せたムラデノビッチが2度目のマッチポイントをものにした。

 最近、自分で自分のコーチとなることを決め、話題を呼んでいたムラデノビッチは、試合後、「今日は戦術的な試合になった。ややそうなりすぎ、本来のプレーを変えようとし過ぎて、うまくいかなかった時間帯もあったけれど」と振り返った。彼女はまた、最近、ともにダブルスを組むようになったクズネツォワについて、「私たちはお互いのプレーを知り尽くしている。コート上ではあまり感情を表さないようにしていたけど、私たちは敬意を抱き合っている」とも言った。

「彼女は経験豊富で、偉大なことを成し遂げた選手。だからこれは私にとって、すごく大きな勝利だと思う。私の今日の戦略は、アグレッシブにプレーし、彼女にフォアを好きに打たせて主導権を握られてしまうようなことにならないようにする、というものだった」

 決勝の相手となるハレプはランキング的には上位だが、ムラデノビッチは今年のインディアンウェルズでの勝利をはじめ、過去4対戦で3勝している。

「今、私は多くの経験を積み、プレッシャーのかかる場面も多く潜り抜けてきた」今年すでに4度決勝に至っているムラデノビッチは、こう言って決勝に向けての密かな自信をにじませた。(テニスマガジン/Tennis Magazine)

※写真は「ムトゥア マドリッド・オープン」で2年連続3度目の決勝進出を果たしたシモナ・ハレプ

Photo:MADRID, SPAIN - MAY 12: Simona Halep of Romania celebrates match point against Anastasija Sevastova of Latvia in the semi finals during day seven of the Mutua Madrid Open tennis at La Caja Magica on May 12, 2017 in Madrid, Spain. (Photo by Clive Rose/Getty Images)