アイドルグループ「アイドリング!!!」の元メンバーで、競馬番組などで活躍する横山ルリカさんに、歴史と伝統を誇る古馬長距離レースの最高峰、GI天皇賞・春(5月1日/阪神競馬場・芝3200m)について展望を聞いた。競馬番組などで活躍する横山ルリ…

アイドルグループ「アイドリング!!!」の元メンバーで、競馬番組などで活躍する横山ルリカさんに、歴史と伝統を誇る古馬長距離レースの最高峰、GI天皇賞・春(5月1日/阪神競馬場・芝3200m)について展望を聞いた。


競馬番組などで活躍する横山ルリカさん

「2強」のうち軸はどっち?

 今回は、ディープボンド(牡5歳)とタイトルホルダー(牡4歳)の2強ムードとなっています。

 ところが、今年のGIはフェブラリーSから1番人気が勝っていない。それどころか、馬券圏内すらなく、皐月賞でようやくドウデュース(牡3歳)が3着にきました。

 この流れでいくと、人気馬を1着固定にするのは怖いのかなとも思いました。でも、馬券の軸という意味ではディープボンドでいこうと考えています。前年レースの上位5頭のうち、2着のディープボンド以外は不在。また、今年も京都開催ではなく力の必要な阪神コースで、さらに雨予報もディープボンドにはプラスになると見ています。

 何より、昨秋のフランス遠征から帰ってきたあと、スタミナだけでなく弱点だったキレ負けする部分もなくなってきてレベルが上がったと、関係者の方もおっしゃっています。競馬ぶりを見ていても、前走のGⅡ阪神大賞典は昨年より今年のほうが見た目には派手でないものの、この馬に不向きな、スローの瞬発力が問われる競馬を勝ちきったというのは、総合力が上がった証ではないでしょうか。

 前走はトライアル仕上げだったなかで昨年と違う勝ち方ができましたし、58kgの斤量に慣れていない馬が多いなか、この馬は58kgで【1-1-0-0】の成績と不安要素が見当たらないですね。

 データ的には2015年以降の阪神大賞典の勝ち馬の成績は【2-1-2-1】で、馬券に絡まなかった1回も4着でしたので、このデータもあと押しします。ここで待望の初GI制覇を期待したいですね。むしろ、まだGIを勝っていないのが意外に感じるほどです。

 そして2強のもう1頭、タイトルホルダーについては、GI有馬記念後の一頓挫(いっとんざ)と、究極のスタミナ勝負になった時にまだ不安が残るので、ディープボンドよりは印を落とします。

 有馬記念のあとにいったん今春の予定が白紙になって、そこからGⅡ日経賞も決して万全ではないなかけっこう苦戦して勝った印象なので、状態面は気になっています。またマークもきつくなり圧勝したGI菊花賞のように逃げられず、タイトルホルダーをラクにいかせない馬が出てきた時にどこまでやれるかも未知数です。ただ、菊花賞馬はこの10年で6勝しているというデータもあるので、消しにはできません。

注目する「穴」候補は?

 今回は意外と穴でおもしろい馬がけっこういて、見れば見るほど買い目が増えてしまいそうです。

 まず、ヒートオンビート(牡5歳)ですね。去年も同じ友道厩舎のワールドプレミアが、日経賞上がり最速を記録した3着からのローテーションで天皇賞・春を勝利しました。今年は友道厩舎のヒートオンビートが同じローテで臨んでくるということで、今が充実期だと思いますし注目しています。

 アイアンバローズ(牡5歳)はオルフェーヴル産駒でスタミナがあり、GⅡステイヤーズSと阪神大賞典をともに2着と好走しています。両レースを好走した馬は天皇賞・春での成績がいいので注目です。近2走は前めで運んで差のない2着になっているように、自分で競馬をつくれるのは強み。2012年に石橋脩騎手が乗って1枠1番で勝利したビートブラックのイメージと重なります。たたいてよくなるタイプだと思うので、上積みに期待しています。

 マカオンドール(牡4歳)は、阪神大賞典3連覇しているゴールドシップの仔というのもいいです。あと松山弘平騎手に手が戻るのもいいですね。前走の阪神大賞典は1000m63秒1の超スローで、後方で脚を貯めるタイプにはキツい展開のなか4着でしたが、今回のほうがたたかれて状態もよくなっていると思いますし、GⅠで持久力勝負になる可能性は高い。展開も前走より向いてくるのかなと思います。

 シルヴァーソニック(牡6歳)はオルフェーヴル産駒で、阪神での成績もいいですし、左回りより右回りの成績のほうが断然よく、3000m以上では一度も馬券圏外になったことがないので注目しています。

 有力どころは前めでレースをすることが見込めますので、うしろからくる馬ではマイネルファンロン(牡7歳)もおもしろいんじゃないかなと見ています。ステイゴールド産駒でこのレースとも相性がいいのと、手塚厩舎は長距離得意な厩舎だと思います。初めて3000m超えるレースになるんですけど、前走のGⅡAJCC(アメリカジョッキークラブカップ)も11番人気で2着と好走していますし、今回も人気はないので松岡正海騎手がうまくエスコートして気分よく走ることができれば一発あってもよさそうです。

 同じく差しでは、ロバートソンキー(牡5歳)もいいなと。キャリア10戦以下の馬が割と好走しているデータがあって、この馬はキャリア8戦で、3歳時には神戸新聞杯でコントレイルの0.3秒差3着となかなかいい走りをしていて、中3週で輸送もあってギリギリの状態で臨んだ菊花賞も6着。

 間隔を取りつついい感じでここまできていて、フィジカルもしっかりしてきたし、半年ぶりだった前走もスタンド前でちょっとカットされる不利もあっての3着なら上出来かなと思います。能力面と状態のよさでGIに臨めるので、人気はないでしょうけどGIでやれる能力はあるんじゃないでしょうか。

 3番人気になりそうなテーオーロイヤル(牡4歳)は4連勝してきて、前走も差し有利の流れを横綱相撲で強い勝ち方をしましたが、前走からいきなりの4kgの斤量増が、ちょっときつそうかな、と。過去10年で前走から3kg以上増えた馬は1回も勝っていない、【0-1-1-29】というデータもあります。

「しんどそうな息遣いになったのを見たことがないので、相当なスタミナの持ち主」と菱田裕二騎手がコメントされているのですが、一気の斤量増でも同じだけのパフォーマンスを見せられるのかが気になります。

 いろんなパターンを考えてしまいますが、まずはディープボンドがしっかりと走って、今度こそ1番人気が勝つ結果を期待します。

【profile】
横山ルリカ よこやま・るりか 
1991年9月27日、神奈川県生まれ。アイドルグループ「アイドリング!!!」の元メンバー(2015年10月に卒業)。『めざましテレビ』のリポーターを経て、現在は『めざまし8』(フジテレビ)の情報キャスターを務める。『競馬予想TV!』(CS・フジテレビONE)はアシスタントとして出演。サンケイスポーツ『サンスポZBAT!』重賞予想コラム「ルリカの当たりますよ〜に!!!」(毎週日曜掲載)を担当するほか、TOKYO FM「TOKYO TEPPAN FRIDAY supported by Ginza Sony Park」(毎週金曜15時〜生放送)にレギュラー出演中。