去る2022年3月31日(木)に、渋谷にある多目的イベントスペース“TOKYO CULTURE CULTURE”にて、Next Generations実行委員会(主管:一般社団法人渋谷未来デザイン)主催のもと、将来の活躍が有望視されるストリ…
去る2022年3月31日(木)に、渋谷にある多目的イベントスペース“TOKYO CULTURE CULTURE”にて、Next Generations実行委員会(主管:一般社団法人渋谷未来デザイン)主催のもと、将来の活躍が有望視されるストリートスポーツの次世代アスリートを対象にした『Elite Camp & Awards(エリートキャンプ&アウォーズ)』が開催された。
『Elite Camp & Awards(エリートキャンプ&アウォーズ)』とは?
日本国内のストリートスポーツシーンにおいて活躍し、さらに将来の活躍が有望視される次世代のストリートスポーツアスリートを対象に行われるエリートキャンププログラム。
この『Elite Camp & Awards』を主催するNext Generations実行委員会は、ストリートスポーツの新興とマナー啓蒙を実施し、街にプレイグラウンドを創り出すプロジェクトを推進し、この渋谷において、”次世代”の人材が、スポーツを通して「出会い」「学び」「輝く」場所を創造し、誇りをもてる街をデザインすることを目指しているプロジェクト。渋谷らしいスポーツ文化の醸成、すなわち「渋谷=ストリートスポーツのメッカ」としての姿を、シーンやパートナーと三位一体となり共創している。
アスリートは完全招待制、丸1日をかけて日本有数の講師陣から大切なことを学ぶ
今回の『Elite Camp & Awards』では、Next Generations Gamesをはじめとするストリートスポーツの各種大会等にて優秀な成績を収めた次世代トップアスリートが、参加費無料で招待された。また、参加者の保護者席も用意された。
講師陣には、各分野において日本有数の実績を誇る4名の有識者を招いて、「心・技・体・智」をテーマに、ストリートスポーツに特化した密度の濃いセッションが行われた。
イントロダクション
冒頭では一般社団法人渋谷未来デザインの理事・事務局次長の長田新子氏からのウェルカムメッセージからスタート。
続いて、本イベントのタイトルパートナーであるNEC IMC本部エキスパートの岡村要氏から、参加者へ向けての激励の挨拶が行われた。
自己表現ワークショップ
早速オリエンテーションがスタート。
オリエンテーションと連動して行われた「自己表現ワークショップ」の講師は、今回の『Elite Camp & Awards』を主催する、Next Generations実行委員会から、スポーツ プロデューサーである渡邊マーロック氏が担当。
参加者には、それぞれまっさらな画用紙、ハサミやノリ、そして雑誌や新聞などが配られ、雑誌や新聞の一部を切り抜いて、画用紙に自由に貼り付け、自身のプロフィールをコラージュして作成するという課題が与えられた。
完成後は、それぞれが作成したオリジナルのプロフィールをもって、全員の前で1分間の自己紹介タイム。普段はなかなか会う機会のないジャンルの異なる次世代アスリートが、自分自身を知ってもらうために自己紹介を行った。
当初は緊張気味だった参加者も自己紹介が進むにつれ、和やかな雰囲気に。それぞれの発表を興味深く見守っていた。
イントロダクションで、参加者同士のコミュニケーションが円滑に行える環境を整える、そういった気遣いが素晴らしかった。現に、このセッション後、それまで会話のなかった初対面の参加者同士が、リラックスして談笑している姿が多数みられてホッコリした。
この講義では、限られた時間・設備の中で先を見越した準備をすることの大切さ、“自分自身を言葉で伝える”ことの大切さなどを学んだ。
自分の思いを言葉にするメディアトレーニング
ワークショップ後、1つ目のセッション「智」では、スキー・ノルディック複合にて、オリンピック出場経験を持つ、荻原次晴氏が講師として登壇。荻原氏といえば、先日まで行われていた北京冬季オリンピックに、テレビ東京のフィールドキャスターとして現地入りし、アスリートの活躍を伝えるスポーツキャスターとしても活躍。
オリンピアンとしての経験を持ち、スポーツキャスターとしても活躍する荻原氏が、“トップアスリートに求められるメディア対応力”について講義した。
多様な媒体において自身が広告塔であるという意識を持つこと。インタビューを受ける際、撮影の始まり、求められていること、なにをどのタイミングでどう伝えるべきなのかなど、スポーツキャスターを務める荻原氏らしい具体的なアドバイスに、メモを取る参加者も多く学びのある講義となった。
終盤には、インタビューの模擬練習を参加者全員が実践し、荻原氏のアドバイスをもとに堂々とインタビューに応じる姿が印象的だった。
講義後の荻原氏に話を聞くと
「内容的に少し難しいところもあったかと思いますが、彼らの目がキラキラと輝いていて、すごく講義しやすい環境をつくってもらいました。
私自身がやっていたスキーという競技はマイナースポーツで、選手時代に感じていたのは、成績はもとより、メディアを通じてきちんと話を伝えなければ、スキーというスポーツはいつまでたってもマイナースポーツのままだ、という危機感でした。その後、スポーツキャスターとなってからは「話して伝える」ことが仕事となり、その難しさを身に染みて感じてきました。
今回参加したアスリート達が頑張っているストリートスポーツという競技は、比較的新しいスポーツです。まだまだ誤解されやすい面が多々あるのではないでしょうか。だからこそ、メディアを通してきちんと話して伝える、ということが大切です。素晴らしいスポーツであることを多くの人に知ってもらう、そのお手伝いが少しでもできていれば光栄」
と語り、参加したアスリート達や競技の未来への期待を寄せていた。
次世代アスリートのためのメンタルトレーニング
2つ目のセッション「心」では、行政・大学・地域・プロチームなどと連携し、スポーツの文化的価値「元気・感動・仲間・成長」の創出を目指す、心のスキルアップをもたらし、クオリティブオブライフをサポートするスポーツドクター、辻秀一氏が登壇。
多くのトップアスリートをサポートしている辻氏が、メンタルトレーニングの意味や大切さ、具体的にどうすれば良いパフォーマンスにつながるかを講義してくれた。
脳と心の関係、自分の機嫌を自分でとることの大切さ、ご機嫌であることの価値、過去や未来へ囚われず、今に生きることの大切さ、笑顔でいることの大切さ、結果を楽しむのではなく、一生懸命を楽しむことの大切さなど、スポーツに限らず、日常生活の多くの場面で役立つ講義内容だった。
辻氏曰く、メンタルトレーニングは語学と同じで、なるべく早めに始めた方が、結果が身につきやすいとのこと。ジュニア世代からメンタルトレーニングの意義を知っておくのはトップ選手へ成長する過程において、かなり重要なことだと感じた。
講義後にも、参加者自らが辻氏に質問するなど、「心」のセッションも大盛況だった。
登壇後、辻氏は「今日は将来を担う次世代アスリートとセッションできて、とても楽しかった。残念ながら一度の講義を聴いただけで、人のマインドが劇的に変わるということはありません。人はすぐに忘れてしまいます。ご両親との復習や本を読むなど、今日知ったことを繰り返していくことが非常に大事。また、ご両親やコーチが共通の思考でいるということも重要です。大学の体育会のチームなどもたくさん診てきましたが、コーチや監督も選手と一緒になって学ぶことが多いのです。思考のクセというのは、語学と同様に、大人になると凝り固まってしまいます。中学生・高校生の時代に、メンタルトレーニングの大切さを学べる環境を整えてあげることが大切」と語った。
最高のコンディショニングを整えるための睡眠ワークショップ
3つ目のセッション「体」のセッションでは、多くのトップアスリートの睡眠をサポートしている西川株式会社スリーブマスターの須藤健二郎氏が講師として登壇。
トップアスリートになるためには、運動・栄養・休息の3つのバランスが重要であること、質の高い睡眠がパフォーマンスにどう影響を与えるのか、なぜトップアスリートが睡眠を重要視しているのかなど、睡眠を世界で活躍するための1つの武器にするための講義が行われた。
そもそも睡眠を支えている寝具は、大人になるまで、自分で選ぶことなく、親から提供されるものであるため、何も疑問を持たず、使い方すら学んでこなかった人がほとんどである、という話は眼から鱗だった。
また、睡眠不足がもたらす具体的なデメリット、質の高い睡眠がもたらすメリット、レム睡眠やノンレム睡眠について、睡眠サイクルの上手な活用方法、寝る前のNG習慣、睡眠時の理想的な姿勢、マクラの使い方や選び方など、睡眠に関する具体的な講義が行われた。
「睡眠」という題材について、ここまで踏み込んだ深い内容の講義を聴けたのは、まだ心も体も成長段階にある次世代アスリートにとっては宝物となるだろう。参加者はもちろん、保護者や関係者にとっても貴重な講義となった。
須藤氏からは講義後、「実は、私たちがサポートしているアスリートの多くは、トップ選手になる前の段階からお付き合いを始めた方が圧倒的に多いのです。良質な睡眠がとれるようになったからといってそれだけで劇的にパフォーマンスが上がるわけではありませんが、最高のパフォーマンスを追求するとき、睡眠は自らで修正できる、重要な要素のひとつであることは間違いありません。
睡眠が大切だということは分かっていても、実際にどうすればより良くなるのかが分かりにくいからこそ、今日は次世代アスリートのみなさんに、若さゆえ見落としがちな“睡眠”について、今一度考えるきっかけになればと思いお話をさせていただきました」とトップ選手への成長に向けた応援コメントをいただいた。
ラップアップ
講義の最後には、Next Generations実行委員会の渡邊マーロック氏が再び登壇。ジュニア期のアスリートに求められる大切なことや育成環境について、コーチ・指導者のあるべき姿など、スポーツ選手としての成長に欠かせない総合的な問題についての簡潔な講義が行われた。
Awards(Elite Camp修了式・招待アスリート激励会)
すべての講義を修了した後には、Elite Camp修了の記念と今後の国内外にて行われる大会での活躍を祈念してトロフィーが参加者全員に授与された。
▲日本財団 経営企画広報部 部長 長谷川隆治氏
▲本イベントのタイトルパートナーであるNEC IMC本部エキスパートの岡村要氏
修了トロフィーの授与には、Next Generationsプロジェクトを通年にわたりサポートしている日本財団 経営企画広報部 部長 長谷川隆治氏、本イベントのタイトルパートナーであるNEC IMC本部エキスパートの岡村要氏が登壇。
授与される次世代アスリートは、それぞれが晴れやかな笑顔に包まれており、自身に満ちた姿が印象的だった。
今回が初開催となった『Elite Camp & Awards』。
取材を通して感じたのは、今後も絶対に継続していくべき取り組みだということ。初開催にしては興味深いプログラムが多く、内容が充実していたということもあるだろうが、とにかく想像以上に参加アスリートが真剣に向き合っていて驚いた。丸一日という長い時間にも関わらず、終始集中して講義に聞き入る姿は、さすがは選ばれしアスリートだなと感心させられた。そんな真剣な姿を見ていると、彼らには確実に学びたいことがあり、それを学べる場所を求めている。だからこそ、『Elite Camp & Awards』は、次世代の子ども達のために、今後もぜひ継続開催してほしい。継続開催することで、プログラムが研ぎ澄まされ、それを学んだアスリートが増えれば増えるほど、日本のストリートスポーツシーンは明るいものになるだろう。
FINEPLAY編集部は今後も次世代アスリートと、彼らに学びの場を提供する『Elite Camp & Awards』を応援します。
《Next Generations Elite Camp & Awards》
日時:2022年3月31日(木)
会場:TOKYO CULTURE CULTURE
参加費:無料(完全招待制)
対象:U-15ストリートスポーツアスリート
選考基準:Next Generations Gamesやストリートスポーツの各種大会等にて、優秀な成績を収めたアスリート
主催:Next Generations実行委員会(主管:一般社団法人渋谷未来デザイン)
助成:公益財団法人日本財団
特別協賛:NEC
協賛:KDDI株式会社/GoPro合同会社/DAZN Japan Investment合同会社/東急株式会社/東急不動産株式会社
後援:渋谷区/渋谷区教育委員会
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