「新生明治」で戦後初のリーグ3連覇だ! 昨年は3年ぶりのリーグ戦春秋連覇を達成し、明治神宮大会で5年ぶりの日本一を飾った。今季は戦後初、1938年以来となるリーグ戦3連覇に挑む。柳裕也選手(平29政経卒・現中日ドラゴンズ)ら主力選手が抜け、…

「新生明治」で戦後初のリーグ3連覇だ! 昨年は3年ぶりのリーグ戦春秋連覇を達成し、明治神宮大会で5年ぶりの日本一を飾った。今季は戦後初、1938年以来となるリーグ戦3連覇に挑む。柳裕也選手(平29政経卒・現中日ドラゴンズ)ら主力選手が抜け、顔ぶれが一新したチーム。熾烈(しれつ)なレギュラー争いが展開されているが、投打ともに選手層の厚さは六大学随一。悲願の瞬間へ向け、準備は万全だ。

波乱のリーグ戦を制す。第5週を終え東大以外の五大学が勝ち点2と、例年以上にし烈な優勝争いが繰り広げられている六大学戦。空き週を挟み今カードは打撃好調の慶大だ。慶大は現在4位ながら、チーム打率は明大を上回っており油断できない難敵。1敗で優勝を大きく左右する緊迫した展開が続く中、激戦をくぐり抜けリーグ3連覇へ王手をかける。

六代屈指のパワー打線を抑えられるか。大学日本代表候補にも選出された岩見は、まるでピンポン玉を打つかのように白球を軽くスタンドへ運ぶパワーヒッター。今季はリーグ首位の5本塁打を放つ好調ぶり。さらに立大2回戦では満塁弾も打っており、勝負強いバッティングも兼ね備える。岩見の前には走者を溜めたくない。また扇の要の郡司も勢いに乗っている。レギュラーをつかんだ昨秋こそ3割には届かなかったが、今季は3割5分9厘をマーク。前回の法大3回戦では岩見を退け4番に座ったほど成長が著しい選手だ。この強打者二人を抑えることが絶対条件となる。そして慶大打線が好調を維持する最大の要因は4年生の存在。今季のスタメンは2年生の柳町、郡司以外は全員最上級生で構成されている。この切れ目ない打線をいかに封じ込めるかが、勝利へのカギを握る。

一方の投手陣はフレッシュなメンバーがそろう。今季第一先発を任されているのはルーキーの関根。昨夏の東東京大会で城東を4強に導いた右腕の決め球・ツーシームを捉えていきたい。そして高橋佑も手ごわい存在となるだろう。高橋佑は現在、齊藤大将投手(政経4=桐蔭学園)に次いでリーグ3位の防御率を誇る2年生左腕。昨季もリーグ戦に出場している経験を生かし、第2先発、救援と大車輪の活躍。攻略は必須となる。他にも2年生の高橋亮や、体調不良で出遅れたエース菊地の存在も忘れてはならない。開幕前はエース・加藤拓也選手(現広島東洋カープ)の穴が懸念されていたが、数多くの投手でこの穴を埋めている印象が強い。今季は豊富な投手陣を着実に攻略したい。

打線の奮起が求められる。明大は前回の法大2戦で計1得点、チーム打率もリーグ5位の2割2分6厘と苦しい状況だ。だがベンチ入りメンバーが日々変わる切磋琢磨した状況はいい方向へ働いている。中でも河野祐斗内野手(文4=鳴門)と添田真海外野手(法2=作新学院)はベンチから外された次の試合で、打点をマークしておりチームの底上げにつながっている。今季はスタメンが定まっていないが、それは多くの選手にチャンスが与えられているということでもある。投手陣はリーグ最少の防御率を誇っているだけに、全員野球で慶大投手陣を倒していきたい。

優勝への道を左右する最大のヤマ場となる明慶戦。昨秋の慶大は明大から唯一勝ち点を落として優勝を逃したこともあり、今カードに対する思いは強いはず。連敗で勝ち点を落とした法大戦から2週間。東大以外の五大学が勝ち点2で並ぶ混戦のリーグ戦を見れば優勝の可能性は十分にある。見据えるのは目の前の一戦。気持ち新たに陸の王者・慶大に挑む。

[浜崎結衣=文]