アウトローへと完璧に決まった1球のようにも思えます。
白井一行球審による「朗希詰め寄り事件」の発端となった、あの瞬間のことです。4月24日のオリックス・ロッテ戦(京セラドーム大阪)の2回。佐々木朗希が投じた1球に対して、ボール判定に朗希が不満そうな態度を見せたとして、白井球審は怒気をはらんで詰め寄りました。18歳の捕手・松川虎生が冷静にこれを制止する-という異例の展開に。SNS上を中心に、野球界の枠を超え、関心を集める事態となったのです。
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「朗希は不満を態度に出すべきではなかった」
「白井球審が怒りとともに20歳に詰め寄ったのは何とも大人げない」
「それにしても18歳に制止される球審って、いったい」
今回の問題は様々な視点から論じられていますが、そもそも動画を確認すると、朗希が投げた外角低めへのあの球は、どう見てもストライクにしか見えないとの思いも沸き上がってきます。
スポーツ紙の野球担当デスクは言います。
「かつて野村克也さんは、アウトローへの制球力を『原点能力』と表現したことがありました。打者にとって最も遠い位置にあり、ストライクが奪えるコーナーへと、いかに制球できるかが優れた投手の条件と言えるからです。バッテリーにとっては『困った時の外角低め』。しかし、それも球審がしっかりとストライク判定してくれるからこそ、成立するロジック。あれをボール判定されちゃうと、投手は投げる球がなくなりますよね」
異例の注目度に、白井球審は試合前から平常心を失っていたとする見立てもあります。
あるスポーツライターの見解です。
「完全試合の後に8回完全での降板とあって、あのオリックス戦には野球ファンも大注目していました。それで白井さんは張り切りすぎて、普通の判断ができなかったんじゃないか。球審はたまに『自分が試合を支配したい』という欲にかられると言います。有名なのが2007年夏の甲子園決勝、佐賀北対広陵です」
そして、こう続けるのです。
「広陵のエース野村祐輔の投げる低めの素晴らしい球を、球審はことごとくボール判定した。捕手の小林誠司が心底悔しがっていたのが印象に残っています。そして佐賀北に逆転満塁ホームランが飛び出し、『地方公立校が強豪私学を倒した』と世間は大フィーバーに。『がばい旋風』が吹き荒れました。あの時の悔しさをバネに、野村は明治大を経てカープへ、小林は同志社大、日本生命を経てジャイアンツへと入団し、現在も活躍しているのが救いではあります」(前述のスポーツライター)
そう考えると、球審に感情のコントロールを失わせてしまうほど、「令和の怪物」の存在は今、大きなものになっているとも言えるかもしれません。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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