「生理痛がひどい原因って何だろう?」「生理痛を和らげる方法を知りたい」こんな疑問や悩みをかかえていませんか?重い生理痛を…

「生理痛がひどい原因って何だろう?」
「生理痛を和らげる方法を知りたい」

こんな疑問や悩みをかかえていませんか?

重い生理痛を我慢するのはつらいけれど、そのたびに痛み止めを飲むのもなんだか不安ですよね。痛み止めに頼らない生理痛の緩和方法も気になるところです。

また、生理痛のほかに、精神症状としてイライラ、落ち込み、情緒不安定。身体症状として倦怠感、頭痛、むくみなどにお悩みの方も多いでしょう。

今回の記事では、重い生理痛の原因や生理痛の緩和におすすめの漢方薬をご紹介します。

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1.生理痛ががまんできない! 症状が重いのはどうして?

生理痛が重い原因として、主に以下の4つが考えられます。

・からだの冷えや運動不足
・ストレス
・プロスタグランジンの過剰分泌
・病気の可能性
(※1)(※2)

それでは、それぞれの原因について詳しくみていきましょう。

1‐1.からだの冷えや運動不足
重い生理痛の原因のひとつに、からだの冷えや運動不足による血行不良が挙げられます。血行が悪くなると骨盤内に痛み物質がたまって、痛みを感じやすくなると考えられているのです。

血行を良くするためには、簡単なストレッチなど普段からの無理のない運動をすることが大切です。また、温かい物を飲むといった習慣もおすすめ。ひざかけで下半身を冷やさないようにすることも効果的といえます。

1‐2.ストレス
ストレスがかかると、ホルモンや自律神経のバランスが崩れて血行を悪くさせ、生理痛を強めてしまう可能性があります。

また、生理痛が重いこと自体をストレスに感じるとさらに症状が重くなるため、生理中はできるだけゆっくり過ごすことが大切だといわれています。

温かい物を飲んだり、入浴したりして、リラックスした状態で過ごしましょう。

1‐3.プロスタグランジンの過剰分泌
生理痛は、経血を排出させるために子宮が収縮することで起こるといわれています。

月経※の際は、子宮を収縮させる働きをもつ「プロスタグランジン」という物質が分泌されます。プロスタグランジンは生理痛だけでなく、さまざまな痛みの原因物質でもあるのです。

プロスタグランジンの分泌量は個人差があり、分泌量が多い人は子宮の収縮が強くなるため生理痛が重くなる傾向があるといわれています。

※月経:医学用語で生理のことをいいます

1‐4.病気の可能性
日常生活に支障が出るほどの痛みがある場合や、薬を服用しても痛みがおさまらない場合などは、ほかの病気が関係している可能性があります。

たとえば「子宮内膜症」や「子宮筋腫」という病気は、強い生理痛を起こしやすいことで有名です。病気が疑われる際は、早めに医師の診察を受けるようにしましょう。

2.生理痛に鎮痛剤を使い続けても平気?

鎮痛剤は用法用量を守ったうえで、毎月の生理の期間中(数日〜1週間程度)に服用する場合は問題ありません。

しかし、鎮痛剤を1か月に10日以上飲んでいるような場合は、効き目を感じにくくなったり、薬に依存したりする可能性があります。

ひどい生理痛や、鎮痛剤の効果を感じなくなった場合などは、一度婦人科などで相談してみましょう。

3.生理痛の緩和には漢方薬がおすすめ

「生理時に痛み止めに頼りたくない」「生理痛を根本から改善したい」という方は、漢方薬の服用がおすすめです。

漢方薬はホルモンバランスの乱れを整えることで、生理時のさまざまな症状を根本から改善することを得意としており、婦人科での生理痛の治療薬としても多く使われています。

以下に、漢方が生理痛に効く理由や、おすすめの漢方薬をご紹介します。

3‐1.なぜ生理痛に漢方が効くの?
漢方の考えでは、生理痛の原因は血液がドロドロと流れにくい状態である「瘀血(おけつ)」と考えられています。すなわち、血液の巡りが滞ると、痛みを感じやすいということです。

漢方薬のなかには、この血(けつ)の巡りが悪い状態を改善できるものがあり、生理痛への効果が期待できます。

3‐2.漢方を飲むタイミングや期間は?
漢方薬を服用するタイミングは「食前」または「食間」です。「食前」は食事の30分ほど前のことで、「食間」とは食後2~3時間を意味します。

このタイミングに漢方薬を服用すると、有効成分を適切に吸収し、食事との相互作用を防ぐことができます。

漢方薬は西洋薬と比べると効き目が穏やかで、症状そのものを止めるよりは、その症状が出ないように体質改善をする働きがあります。

そのため、漢方薬は、生理中に限らず、数週間~数か月間じっくりと毎日服用することが大切です。

3‐3.どんな種類の漢方薬がいい?
漢方における生理痛の治療としては、月経過多や妊娠初期など血を巡らせすぎてはいけない場合以外には、瘀血を改善する駆瘀血剤(くおけつざい)を使うのが一般的です。

以下では、生理痛に効果が期待できる漢方薬を紹介します。

<生理痛におすすめの漢方薬>

・加味逍遙散(かみしょうようさん):あまり体力がなく、肩凝りや疲れやすさ、イライラを感じる方
胃腸が弱い方は、胃の不快感や下痢などの副作用がでる可能性があるので、薬剤師や医師に相談してから指示通りに服用しましょう。

・当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん):あまり体力がなく、貧血や生理不順があり、足腰の冷えを感じやすい方
胃腸が弱い方は、胃の不快感や下痢などの副作用がでる可能性があるので、薬剤師や医師に相談してから指示通りに服用しましょう。

・桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん):比較的体力があり、顔がのぼせて足が冷える方、肩凝りやめまいを感じる方

・桃核承気湯(とうかくじょうきとう):比較的体力があり、便秘がちで、生理時の精神不安がある方
元々下痢や軟便の症状がある方は、悪化する可能性があるので注意が必要です。

4.漢方薬は体質に合ったものを飲むことが大切!

漢方薬のなかには、重い生理痛を改善してくれるものがあります。ただ、漢方を服用するうえで大切なのは、自分の体質や症状に合ったものを選ぶことです。

体質に合っていない場合は、効果が出ないだけでなく、副作用が起こることもあります。

インターネット相談窓口を設けている「あんしん漢方」のようなサービスを利用して、薬効や副作用、漢方薬との相性、日常生活の養生法などを相談してみるといいでしょう。

5.漢方薬で生理痛を和らげよう

今回は、重い生理痛の原因や、生理痛におすすめの漢方薬をご紹介しました。

漢方薬は、血の巡りを良くして生理痛が出にくいからだ作りをサポートしてくれます。気になる方は薬剤師など信頼できる専門家に一度相談して、日常に漢方薬をとり入れ、生理痛に悩まない毎日を過ごしましょう。

参考文献:
(※1)女性の健康推進室 ヘルスケアラボWEBサイト「月経痛(生理痛)」
(※2)女性労働協会 働く女性の健康応援サイト「月経について」

[文:あんしん漢方]

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

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薬剤師 稲嶺 千春

北陸大学薬学科卒業後、製薬企業や調剤薬局に勤務。
様々な経験をする中で、対症療法ではなく、漢方による根本治療の大切さを実感する。漢方薬の力をより多くの方に広めるために、漢方のプロがAIを活用して自分に適した漢方薬を選び、お手頃価格で自宅に郵送してくれる「あんしん漢方」で情報発信をしている。