佐野が三塁へタッチアップ、楠本は投手が足を上げる前に■DeNA 6ー4 巨人(26日・横浜) DeNAは26日、本拠地・…

佐野が三塁へタッチアップ、楠本は投手が足を上げる前に…

■DeNA 6ー4 巨人(26日・横浜)

 DeNAは26日、本拠地・横浜スタジアムでの巨人戦に6-4で逆転勝利を飾り、連敗を「3」で止めた。新型コロナウイルス感染で戦列を離れていた桑原将志外野手と柴田竜拓内野手が復帰し、早速持ち味を発揮。その一方で、主軸の宮崎敏郎内野手が左太もも裏の炎症で23日から離脱しており、ベストメンバーを組めない日々は続く。それでも、今季から取り組んでいる“改革”の成果が、徐々に見え始めたのは明るい材料だ。

 ファンが思わず「ワオッ?!」と声を上げたくなるようなシーンが3つあった。

 まずは一挙5得点のビッグイニングとなった5回。1死二、三塁の場面で、逆転の2点適時二塁打を放った佐野恵太外野手が、続くソトの右翼定位置付近への飛球で、敢然とタッチアップしたのだ。俊足とは言えない佐野がスタートを切ると、ハマスタのスタンドからはどよめきが起こったが、結果的に悠々と三塁を陥れた。巨人右翼手の新外国人ポランコの肩の状態は把握済み。これで相手にプレッシャーをかけ、続く牧の5号2ランにつながった。

 さらにこの回、DeNAは攻撃の手を緩めなかった。巨人が先発の戸郷から平内に継投すると、代わり端に楠本泰史外野手が四球を選び出塁。続く倉本の初球に二盗を敢行したが、まだ平内が足を上げていない時点でスタートを切っていた。これが2つめの「ワオッ?!」。平内はそのまま投球し、慌てた捕手・小林がボールを弾いたこともあって、これまた悠々と二塁を陥れたのだった。プロ2年目の平内の牽制、クイックのクセは研究済みだったということだ。

 三浦大輔監督は「相手のデータは常に試合前のミーティングで、コーチが選手へ落とし込んでくれている。それだけでなく、佐野のタッチアップは打球に対する判断もよかった。選手たちは今年、常に次の塁を狙う意識を持って取り組んでくれている」と我が意を得たりとばかりにうなずいた。

盗塁数は昨季リーグワーストの「31」→今季はすでにリーグ2位の「10」

 最下位に沈んだ昨季のDeNA打線は、破壊力満点の長打を連発する一方、走塁は“各駅停車”で効率の悪さも目立った。今季はOBの石井琢朗野手総合コーチらを加え、小技と機動力を交えた攻撃へ舵を切っている。昨季リーグワーストの「31」に終わったチーム盗塁数は、今季は26日現在、早くもリーグ2位の「10」に上る。

 最後の「ワオッ?!」は、5-4と1点リードして迎えた7回の守備。2死三塁の一発逆転のピンチで、初回にバックスクリーン弾を放っている岡本和を迎えた場面だ。マウンド上は、この回から登板した左腕の田中健二朗投手。申告敬遠も考えられたが、DeNAサイドは勝負を挑んだ。カウント2-0から内角低めのカーブで空振りを奪い、4球目も外角へカーブを続けて見送りストライク。さらに内角低めの速球でファウルを打たせ、外角低めのボール球のストレートを見せた後、フルカウントから外角低めのフォークを打たせ、三ゴロに仕留めた。試合の流れを決定づけたシーンと言える。

 三浦監督は「あそこはランナーをためるより、勝負にいったほうがいいと考えた。カウントが悪くなれば無理に勝負する必要もないと思っていたが、バッテリーが両サイドをうまく使って抑えた」と説明したが、今季は春季キャンプの段階から投手陣に対し「ストライクゾーン内の“強い球”で勝負すること」を厳命している。

 また、今季の岡本和はセオリーとは逆に左投手に弱い(試合前の時点で左腕に対し23打数5安打、打率.217。右腕には58打数19安打、打率.328)。そして次打者の丸は左腕に強い(33打数12安打、打率.364)というデータも頭にあったかもしれない。好守に昨季とはひと味違うところを示しているDeNA。コロナ禍で大量離脱していた主力も徐々に復帰しつつあり、上位進出のチャンスをうかがっている。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)