3.20両国大会で佐々木大輔・葛西純との3WAYマッチを制しDDT UNIVERSAL王座を獲得したMAO。3.27後楽園 初防衛戦でAEWのスーパースター中澤マイケルを下し、5.1横浜武道館大会にて挑戦者・朱崇花を相手に2度目の防衛戦を迎…

3.20両国大会で佐々木大輔・葛西純との3WAYマッチを制しDDT UNIVERSAL王座を獲得したMAO。3.27後楽園 初防衛戦でAEWのスーパースター中澤マイケルを下し、5.1横浜武道館大会にて挑戦者・朱崇花を相手に2度目の防衛戦を迎える。

<(2)はこちら>

――5.1横浜大会の挑戦者・朱崇花選手に対してどんな印象をお持ちですか?

MAO:朱崇花はDDTのリングに上がっていた時期がありタッグも組んでいました。共に宮城県出身で2015年8月デビュー。朱崇花はレスリングをベースに飛び技が得意。僕は柔道がベースで飛び技を使います。スタイル的に「組技+飛び技」と共通する部分が多い。

朱崇花

DDTでは僕と似たスタイルのレスラーが少ないですし、朱崇花の土台にある「女子プロレス」も体感してみたいですね。

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――朱崇花選手が2019年7月に大田区で彰人選手と戦った『蛍光灯IPPONデスマッチ』が好きで定期的にレッスルユニバースで観るんです。それまで女子のリングの朱崇花選手しか知らず、「こんな戦いにも対応できるレスラーなんだ」と驚きました。

MAO:あの試合は間違いなく2019年DDTベストバウトでしょうね。朱崇花はDDTに上がってプロレスの幅が広がったし、その後ZERO1のリングでリベンジャーズの一員として活動し男子プロレスに順応している。そして男子に勝つ力も併せ持つ。だから「ただのミクスドマッチ」ではなく、対等な戦いだと思っています。

――ところで今回のDDT UNIVERSALタイトルマッチはハードコアではなく、通常ルールで行うのでしょうか?

MAO:記者会見で朱崇花から「ハードコアでやろう」と提案がありましたが、今回は丁寧にお断りしました。

――それはどうしてですか?

MAO:ハードコアルールで戦ってもいいんです。ただ最近のビッグマッチで僕がハードコアをやりすぎてて…いや、それは冗談ですけど(笑)

僕が持っているのはDDT UNIVERSALのベルト。タイトルマッチごとに戦うルールを変えていくのはDDT EXTREME王座です。僕はなんでも出来るからと言ってなんでもやっていいとは思っていない。

「DDT EXTREME王座戦はなんでもやるし、DDT UNIVERSALのタイトルマッチもなんでもやる」だと棲み分けができない。DDTの団体の中でキチンと線を引くべきだと考えています。そんなことを言いながら、自分がDDT UNIVERSAL王座を獲得したのはハードコア3WAYだったんですけど(苦笑)。

今回王座を獲得した時、「DDT EXTREME戴冠おめでとう」と間違われたんですよ。それもあって棲み分けをしないとダメだと思いますね。

この後も防衛戦が続くのであれば若手にも挑戦してもらいたい。でも若手のベルトにしたいわけではないんです。ベルトの幅を広げる意味でも様々な挑戦者と戦いたいですね。

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――挑戦者として戦いたい相手はいますか?

MAO:まだ見ぬ強豪外国人と戦いたいですね(苦笑)。でも最終的にはマイク・ベイリーと戦いたい。

――Moonlight ExpressでMAOさんの元タッグパートナーですね。

MAO:このベルトを持ち続けていれば、どこかでベイリーとリングで戦えるかもしれない…淡い期待ですけど。

――マイク・ベイリーとの合体技はワクワクしますね。

MAO:今見ても「あの頃の自分輝いてるな〜」って思います(笑)。

――そんなことを言わないで下さい、シングルタイトルを獲得したばかりなんですから。今がもっとも輝いてますよ。ところで竹下幸之介選手がアメリカに行きました。The 37KAMIINAでMAOさんの立ち位置は変わりますか?

MAO:甘えていたわけではありませんが、多少メチャクチャなことをしても最後は竹下さんが「なんとかしてくれる」と考えていました。竹下さんがいるから僕は好き勝手に戦えると。その竹下さんがいなくなった。

The 37KAMIINAはかなり火力が落ちました。そんな状況で上野勇希さんが次のKO-D無差別級王座に挑戦します。ユニットとしてはみんなが踏ん張らなければいけない。

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火力が圧倒的に下がった中、自分も火力を強くする必要があるし後輩の小嶋斗偉を育てなければいけない。今までと責任感が違いますね。

僕たちThe 37KAMIINAは「明るく楽しく」を打ち出して戦っているので、そこに「強さ」がないと舐められるし軽く見えてしまう。だからチームの底上げと自分を高めることが今の目標です。

――課題があるということは成長できるチャンスですよね。

MAO:そうですね。好き勝手に戦っていた時とは訳が違う。責任を持って戦っていかないといけない。ある意味「新生The 37KAMIINA」です。

団体としてコロナ禍はピンチでありチャンスでもある。プロレスファンがコロナ前より色々な団体を配信サービスで観ているんですよ。レッスルユニバースのプログラムもどんどん増えている。

その中でお客さんにDDTを選んでもらうためには、「明るいチーム」が必要だと思うんです。

レスラーとしてこだわりが強くなると視界が狭くなってきてスケールの小さい戦いになってしまいがち。でも僕はこだわりも強いけど捨てるところは捨てて、「The 37KAMIINAは楽しくやろう!」と思っています。もっと間口を広げていこうと…

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――ということは他のメンバーが加入する可能性もあるんですか?

MAO:それはないです。竹下さんが戻ってきた時、「俺がいなくなってダメになったな…」と思われたくない。今のメンバーのまま進化したThe 37KAMIINAを見せたいですね。

――最後に5.1横浜武道館大会の朱崇花戦に向けてメッセージをお願いします。

MAO:初防衛でAEWのスーパースターに勝ち、そして次の朱崇花にも勝つ。DDTでメインストーリーがKO-D無差別級王座だとしたら、僕がDDT UNIVERSAL王者として面白いサブストーリーを紡いでいきたいと思っています。
<おわり>

<インフォメーション>
5.1横浜武道館「MEGA MAX BUMP 2022 in YOKOHAMA」にて挑戦者・朱崇花選手を迎えるDDT UNIVERSAL王者・MAO選手。その他メインイベントでは第78代王者・遠藤哲哉選手にThe 37KAMIINAの上野勇希選手が挑戦します。詳細はDDTプロレスリング公式サイトをご覧ください
また試合は動画配信サービスWRESTLE UNIVERSEで生配信されます

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取材・文/大楽 聡詞
編集/塩田 博史
写真提供/DDTプロレスリング