(C)Getty Images エンゼルス・大谷翔平投手のスライダーが魔球と話題を呼んでいる。20日のアストロズ戦に先発…

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 エンゼルス・大谷翔平投手のスライダーが魔球と話題を呼んでいる。20日のアストロズ戦に先発し、6回1安打無失点、12奪三振で今季初勝利を飾った。ジョー・マドン監督も「私が今まで見た中で一番のパフォーマンス」と絶賛した投球の中で、特に光ったのがスライダーだった。

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 大谷はこの日、81球中、約43%にあたる35球のスライダーを投げた。最大の曲がり幅は20インチ(約50・8センチ)あり、その驚異的な曲がり幅が全米で話題になっている。

 スライダーという球種は曲がり幅が出ればもちろん打ちにくいわけだが、単純にそれが大きければいいわけでもない。特にプロで重視されるのは、いかに打者の手元に近づいてから曲がり始めるか。曲がり始めが早すぎると、打者は「変化球だ」と気付くのも早くなり、対応されやすくなる。

 そうした理由から曲がり幅を競う球種ではないのだが、米国のファンは数字の大きさに驚嘆したようだ。MLB公式データサイトのbaseball savantによると、大谷のスライダーの今季の平均曲がり幅は16インチ(約40・6センチ)。昨年は同15・8インチで(約40・1センチ)で大差はなく、20日のアストロズ戦の試合を通した平均は15・0インチ(約38・1センチ)だった。

 突然飛躍的に曲がったわけではないのだが、多くのファンに印象付けたのは恐らく中継するテレビカメラの角度だろう。アストロズの本拠地、ヒューストンのミニッツメイド・パークの中継カメラは、エンゼルスの本拠地エンゼルスタジアムのカメラと比べると打者や投手の正面に近い。横の変化が分かりやすい構図に収まる。特にツイッターなどのSNSでは大谷が右打者外角へ逃げるスライダーや、左打者の外角からバックドアで入れるスライダーなど、「まるでテレビゲームのようだ」というコメント付きで多くの野球ファンの間に拡散されていった。

 多くの日本人ファンにとって、スライダーを得意とする日本人大リーガーといえば、パドレスのダルビッシュ有だろう。昨季もダルビッシュのスライダーの平均曲がり幅は16・3インチ(約41・4センチ)で大谷を上回っていた。今季もここまで平均17・1インチ(約43・4センチ)と大谷を上回る高い標準を保っている。

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 ダルビッシュでいえば多くのファンの脳裏に焼き付いているのは、2009年のWBC決勝で延長10回、最後の打者をスライダーで空振り三振に斬って世界一を決めたシーンではないか。あのスライダーも横に驚異的な曲がり幅をみせたが、変化量のすごさはもちろんのこと、ドジャースタジアムの中継カメラの角度も一役買っていたことを忘れてはならない。

 球場によって異なる中継カメラの位置で、見た目の印象は違ってくる。そこを補完する意味でも、正確で冷静に物語る数字の裏付けというのは重要になってくる。翻って、日本のプロ野球の中継カメラは、メジャーリーグの球場に比べると横変化が分かりにくい角度のものが多い。ごく稀に正面からの角度の映像を挟んでくれるケースがあるが、予想以上の横変化に驚くこともあると思う。現在主流となっている角度はファンとしては慣れた構図ではあるが、よりリアルさを追求した再検討にも期待したい。

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