カシメロの防衛戦中止 ボクシングのWBO世界バンタム級王者ジョンリエル・カシメロ(フィリピン)は、22日(日本時間23日)に英リバプールで予定していた同級1位ポール・バトラー(英国)との5度目の防衛戦中止が海外メディアに報じられた。英ボクシ…

カシメロの防衛戦中止

 ボクシングのWBO世界バンタム級王者ジョンリエル・カシメロ(フィリピン)は、22日(日本時間23日)に英リバプールで予定していた同級1位ポール・バトラー(英国)との5度目の防衛戦中止が海外メディアに報じられた。英ボクシング管理委員会(BBBoC)の規定違反の疑いによるもの。王座剥奪の危機に直面し、米メディアは「責任の欠如」と批判的に報じた。

 米専門誌「ザ・リング」は「ジョンリエル・カシメロ対ポール・バトラーはカシメロによるBBBoCの医療規定違反で中止に」と記事を掲載した。BBBoCでは試合前の減量目的によるサウナ使用に関する厳格な規定を設けている。記事では「カシメロが英国到着後に減量のためにサウナを利用している証拠が、自身のYouTubeから出てきた。このビデオは現在非公開になっている」と指摘。王座剥奪の危機に瀕しているという。

 記事によると、BBBoCのロバート・W・スミス事務局長は書面で「BBBoCの医療ガイドラインに反しており、金曜に予定されていた試合出場を我々としては許可できない」と発表。英国到着後の3日間で体重を10ポンド落としたカシメロに対し「憂慮すべき減量」と指摘していたという。WBOはすぐに王座剥奪とせず、陣営に対して48時間の猶予を与え、釈明を求めていると伝えた。

 一方、米専門メディア「ボクシングシーン.com」も、剥奪危機にあるカシメロについて報じた。「WBOにとっての重大な懸念は2年間の在位期間で、カシメロの統括団体に対する責任の欠如だ」と批判。今後、カシメロに英国の労働ビザが下りない可能性も指摘した。

 カシメロは昨年8月にWBC王者ノニト・ドネア(フィリピン)と対戦予定だったが、ドーピング検査の拒否を示唆したことを引き金に、ドネアが試合をキャンセルした。同12月にはUAEでバトラーと指名試合で予定だったが、胃腸炎を理由に計量をキャンセル。試合は中止された末、今回の日程で再設定されていた。1年間で3度目の試合消滅となる。

 記事では「彼は最近の行動に対する明確な正当性を示すことができなければ、あの試合(リゴンドー戦)がWBO世界バンタム級王者として最後の試合になるだろう」と報じている。同メディアは、カシメロと対戦予定だった同級1位ポール・バトラー(英国)は、同級4位ジョナス・スルタン(フィリピン)との暫定王座決定戦に臨むと伝えた。(THE ANSWER編集部)