今週は中山競馬場でGI・皐月賞(芝2000m)が行われる。

2戦2勝のキャリアで臨むダノンベルーガ&イクイノックスに2歳王者ドウデュース&キラーアビリティ。未知の新興勢力vs実績馬が覇を競う今年は見どころ満載と言えるだろう。虎視眈々と一発を狙う伏兵陣も含め、難解極まりないレースだ。

データで紐解く今年の皐月賞。過去10年のデータ分析から浮かび上がったキーワードをもとに、有力馬と穴馬候補を紐解いていく。

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■ドウデュースに吹き荒れる「朝日杯FS勝ち馬」という向かい風

無傷の3連勝で朝日杯フューチュリティSを制し、2歳王者としてクラシック初戦を迎えるドウデュース。前哨戦の弥生賞をひと叩きされて臨むここはローテーションの利も強調したいところだが……ここでは戦績から導かれるマイナスデータが出現する。

・2015年以降の朝日杯フューチュリティS勝ち馬成績【0-1-0-4】

リオンディーズやダノンプラチナ、アドマイヤマーズなど年明け初戦で馬券内に入った馬も上位進出とはならず。阪神芝1600mで示したマイル適性はマイナスに働くとのデータだ。ちなみにドウデュースの父であるハーツクライ産駒は過去10年の皐月賞で【0-1-0-13】。立ちはだかる条件は決して楽ではない。

■イクイノックスを後押しする「馬券内率71%」データ

前走東スポ杯2歳Sと異例のローテで臨むイクイノックス。「2月、3月からレースを使い出すと、ダービーまで持たないのではないかと……」と木村師が語るように、王道ローテでは馬が耐えられないのだろう。特に取捨が厄介な1頭だが、ここでお伝えしたいのは以下のデータ。

・東京芝1800m重賞で2着に0秒3差以上勝利【3-0-2-2】

好走馬はゴールドシップ、コントレイル、エフフォーリアなど。東京芝1800mで発揮した圧倒的なパフォーマンスは皐月賞の舞台で大きなアドバンテージとなる。馬券外に敗れた2頭はワグネリアン、スワーヴリチャードとともにダービーで連対をはたした馬。もし今回凡走を喫したとしても、ダービーまで見限りたくないと思わせるデータだ。

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▼競馬ストーリーテラー・田原基成の重賞分析TV「2022皐月賞編」

著者プロフィール

田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家 競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。