4月17日、中山競馬場で3歳馬によるGⅠ皐月賞(芝2000m)が行なわれる。 今年の「牡馬クラシック」第1弾となるこの…
4月17日、中山競馬場で3歳馬によるGⅠ皐月賞(芝2000m)が行なわれる。
今年の「牡馬クラシック」第1弾となるこのレース。昨年の最優秀2歳牡馬ドウデュース、GⅠホープフルSを勝ったキラーアビリティ、GⅡ弥生賞ディープインパクト記念を勝ったアスクビクターモア、GⅡスプリングSを勝ったビーアストニッシドなど、今年は主要レースの勝ち馬が順調に調整されてきており、白熱した争いが予想される。
このレースを血統的視点から占ってみよう。今年の皐月賞は、レースに縁のある血統馬が多く出走してくる。そのなかから筆者が筆頭に挙げたいのがデシエルト(牡3歳、栗東・安田隆行厩舎)だ。

前走の若葉Sでデビューからの3連勝を飾ったデシエルト
同馬は当歳時のセレクトセールで、2億7000万円(税抜)で落札された超高額馬。今回の出走馬のなかでもっとも高額の馬となる。昨年12月、阪神のダート1800mを7馬身差で圧勝してデビューを飾ると、続く1勝クラス(中京・ダート1800m)も勝利。初の芝コースでのレースとなった前走の若葉S(阪神・芝2000m)も3馬身差で逃げきり、3戦3勝で皐月賞に駒を進めてきた。
父ドレフォンは米GⅠBCスプリント(ダート6F)を勝ったスプリンター。この3歳が初年度産駒で、本馬の他にはGⅢ札幌2歳S(芝1800m)を勝ったジオグリフなどを出している。全勝利数の約4分の3がダートという傾向があるが、距離別勝利数では1800mが最多の20勝(ダート17勝、芝3勝)で中距離適性も見せている。デシエルト自身もすでに2000mを克服しているだけに、距離に対する不安はなさそうだ。
デシエルトの魅力は母系の血統。母アドマイヤセプターは2015年の皐月賞、GⅠ日本ダービーを勝ったドゥラメンテの全姉。ドゥラメンテの産駒は、タイトルホルダーが昨年の皐月賞で2着に入り、そのあとにGⅠ菊花賞を制覇。先週のGⅠ桜花賞でも産駒スターズオンアースが勝利した"旬"の血統だ。
また、祖母アドマイヤグルーヴはGⅠエリザベス女王杯連覇、曽祖母エアグルーヴはGⅠオークス、GⅠ天皇賞・秋の勝ち馬、祖母の弟ルーラーシップは香港GⅠ勝ち馬と、日本を代表する名牝系のひとつでもある。ヴィクトリーとアンライバルドという、甥と叔父で皐月賞を勝ったファミリーもおり、それに続く「叔父→甥」の制覇に期待したい。
もう1頭、近親に皐月賞馬がいる馬としてサトノヘリオス(牡3歳、栗東・友道康夫厩舎)を挙げておきたい。
同馬は昨秋の未勝利戦(中京・芝2000m)、エリカ賞(阪神・芝2000m)をいずれもレコードで2連勝した。続くGⅠホープフルS(中山・芝2000m)は中1週のキツいローテーションが影響したこともあってか13着に大敗。約3カ月ぶりの前走、スプリングS(中山・芝1800m)で3着に入り、ここに臨んできた。
父エピファネイアは昨年の勝ち馬エフフォーリアの父で、祖母の弟エアシャカールは2000年の皐月賞、GⅠ菊花賞の勝ち馬という血統。エアシャカールも2歳時に2勝し、皐月賞で重賞初制覇を果たしたように、3歳春以降に成長を見せる血統でもあるため今回の激走に期待したい。
以上、今年の皐月賞は、近親に皐月賞馬がいるデシエルト、サトノヘリオスの2頭に注目したい。