シーズン開幕を境にして、球界の主役の座はすっかり入れ替わってしまった。それまで話題を独占していた日本ハム・新庄剛志監督は、ここまで3勝11敗と最下位を独走。開幕から2週間が経ち、注目を一身に集めているのはロッテの弱冠二十歳、佐々木朗希投手である。

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 10日のオリックス戦での完全試合は、記録ずくめの歴史的な快挙となった。完封も、完投も経験のない右腕が、1994年の槙原寛己以来28年ぶり16人目となる夢のパーフェクト。しかも試合中盤にはこれまでの9者連続を大きく更新する13者連続奪三振。最後の打者・杉本を空振り三振に仕留め、1試合19三振は野田浩司が持つ日本プロ野球記録に並んだ。

 佐々木はオープン戦期間中から163kmの直球を連発。シーズンが開幕すると自己最速を1km更新する164kmをマークした。オリックス戦でも164kmを再び投げ込んだ。大谷翔平が日本ハム時代に残した165kmの日本人最速記録、そして巨人のビエイラが持つ166kmの日本球界最速記録の更新も、時間の問題のように思えてくる。

 まさに実力で主役の座を奪い取った格好だ。佐々木自身はあまり目立つことを好まない性格。周囲のフィーバーぶりを両手を挙げて歓迎、というわけではなさそうだ。それでも現在の圧倒的な支配的投球は、マウンドに立つたびに「また新たな記録が打ち立てられるのでは」という期待を駆り立てる。当然海の向こうのメジャーリーグも黙っているわけがなく、完全試合から一夜明けた11日は米メディアも熱狂的な報道で日本プロ野球の歴史的な一戦を伝えた。

 その佐々木の次戦、中6日で上がる17日の本拠地ZOZOマリンスタジアムのマウンドでは、公式戦で初めてビッグボス率いる新庄ハムと対峙する。ひょっとしたら史上初めての2試合連続完全試合をやってくれるのでは。そんな期待を抱かせてしまうほど、日本ハムはここまでリーグワーストの30得点と貧打線ぶりが目につく。1試合最多は5点止まり。とても今の佐々木に立ち向かえるとは思えない。

 そんな今だからこそ、ビッグボスの奇想天外な作戦が求められそうだ。かねて、「打者一巡、全員にセーフティーバントをさせたい。走者がいなくても(打者が必ずスイングしなくてはいけない)ヒットエンドランとか」と前例のないプランを口にし、オープン戦で実行に移してきた。正攻法で当たっても敵わない難敵相手。奇襲や陽動作戦を用いてでも、一矢報いる姿を期待するファンもいるだろう。


 今季の佐々木の快進撃はビッグボス打線斬りから始まった。2月19日、キャンプ地のタピックスタジアム名護での練習試合。先発した佐々木は大船渡高3年時以来、自己最速タイの163kmを投げ、2回を2安打無失点に封じた。昨年は160km以上を投げることは一度もなかったが、かつての伝説が真実であることを証明してみせた。この今季初実戦での好発進から着実にステップを踏み、完全試合まで上り詰めた。

 当時、抑え込まれた新庄監督は「まあ、球は速かったけど大丈夫じゃない?うちの選手なら、何回か見たら」と言ってのけたものだ。あれから1カ月半。20歳の若者は驚異の進化をみせ、話題を独占していたチームは低空飛行が続く。新旧主役交代へのまた次なる契機となるのか、それとも踏み台にして佐々木はさらなる高みへ上るのか。ただでは終わらない因縁の一戦が多くの注目を集めるのは間違いない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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