■大宮またも勝てず! 泥沼の開幕9戦未勝利 シーズン「初」が遠いチームもある。大宮アルディージャだ。前節まで3分5敗と…

■大宮またも勝てず! 泥沼の開幕9戦未勝利

 シーズン「初」が遠いチームもある。大宮アルディージャだ。前節まで3分5敗と勝利がなく、最下位に沈んでいる。

 今節はヴァンフォーレ甲府とのホームゲームだった。吉田達磨監督が率いるアウェイチームも、1勝3分4敗と苦しい序盤戦を過ごしている。

 先にスコアを刻んだのは大宮だった。19分、右CKからCB新里亮が先制点をマークする。甲府のゾーンディフェンスの間で、打点の高いヘディングシュートを突き刺した。

 ところが、リードは長く続かない。36分、ワンタッチパスの連続で左サイドを崩され、中央へのクロスを甲府FW長谷川元希に頭で押し込まれてしまう。甲府のゲームキャプテンを務めるプロ2年目の23歳は、大宮のアカデミー出身だ。大宮には痛恨の恩返し弾である。

 後半はミスから連続して失点した。48分、新里がボールの処理をもたつくと、ブルーノ・パライバにさらわれる。フリーで抜け出してきたブラジル人FWに、難なく決められてしまった。

 63分にはミスに不運が重なる。自陣右サイドでのパス交換からボールを失い、パライバにシュートを許す。シュートブロックには入っていたのだが、ディフレクションしたボールがGK南雄太の頭上を越えてしまった。

 3節から複数得点を記録していない大宮に、2点のビハインドは重い。霜田正浩監督は選手を入れ替え、一部の選手のポジションを変え、システムも変更して相手ゴールへ迫ろうとするが、得点機を作り出せない。ゴールの予感が漂ったのは、84分のカウンターぐらいだった。それも、河田篤秀の左足シュートはバーを大きく越えていく。追撃のゴールを記録することはできず、1対3のまま試合終了のホイッスルが鳴り響いた。

■佐野秀彦社長は監督交代を含めた打開策を検討中

 試合後にはゴール裏へ挨拶にいった霜田監督と選手たちが、サポーターの圧力にあう。指揮官が足を止めて、話をする場面もあった。試合後の記者会見では、「結果の責任は監督にある」といった趣旨の発言を何度も繰り返した。

「僕らにとってサポーターは敵ではないので、あくまでも期待をして応援してくれているからこそのゲキだと思う。彼らのそういうストレスを、できるだけなくさないといけないのが選手の仕事で、あの場でいろいろと言われることは選手の仕事ではないので、そこはちゃんと僕が向き合えばいいと思った。自分が悪いので選手を責めないでほしいと話しました」

 昨年6月から采配をふるう霜田監督は、チームの素早い立て直しを大前提としながら、中長期的な視点でチームを見つめていた。監督就任後は7勝10分8敗の成績でJ2残留を決め、チーム始動から準備を進めることのできた今シーズンは、内容にもこだわった戦いを目ざした。「J1に昇格するだけでなく、しっかりと定着できる土台を作る」ことを意識したチーム作りを進めてきた。

 しかし開幕から勝利をつかめず、結果が出ないことでプレーが消極的になり、さらに勝機が薄れていく──負のスパイラルから抜け出せないまま、22チームで唯一白星をあげることができていない。新型コロナウイスの陽性反応者が多く出てしまい、メンバー編成に苦しんだ時期もあったが……。

 今シーズンはJ1昇格候補にあげられていた徳島ヴォルティスモンテディオ山形、甲府らが出遅れている一方、昨シーズン下位に終わったツエーゲン金沢ザスパクサツ群馬が好調だ。J3から昇格してきたロアッソ熊本、いわてグルージャ盛岡も健闘している。その結果として中位から下位は大混戦となっているが、大宮だけが置き去りにされつつある。

 甲府戦後には佐野秀彦社長が急きょ記者会見し、監督交代を含めた打開策を検討しているとした。自身が兼任するフットボール本部長についても、新たな人材の招へいに動いている。浮上のきっかけが見当たらない戦いぶりから判断すると、何らかの対応が急がれるのは間違いない。

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