今季、京都橘高から京都に加入した岩崎悠人は、まだあどけなさを残す18歳。しかし、ピッチに入ると、その自慢のスピードで果敢にゴールへと迫る頼もしきハンターに変貌する。今年の5月末から開催されるU-20W杯でも、さらにその先の東京五輪において…


 今季、京都橘高から京都に加入した岩崎悠人は、まだあどけなさを残す18歳。しかし、ピッチに入ると、その自慢のスピードで果敢にゴールへと迫る頼もしきハンターに変貌する。今年の5月末から開催されるU-20W杯でも、さらにその先の東京五輪においても、日本の得点源として活躍が期待されるストライカーだ。(取材・川瀬 太補/サッカー新聞エル・ゴラッソ京都担当)

■天然芝はプレーしていて気持ちがいい

―チーム始動直後は 「高校時代は土のグラウンドが多かったので、(プロの)天然芝に苦労している」という話をしていましたが、芝にはもう慣れてきましたか?
「もう、かなり慣れました。逆に、芝だと技術面でちゃんとプレーできますし、(始動からの)短い期間の中でも自分のプレーに少し変化が出てきていると思います。芝ならボールが滑るので力を抜いて蹴れるし、コントロールするときもピタッと止まります。プレーしていて気持ち良いです。いまは土よりもやりやすく感じるようになっています」

―今季からプロのキャリアがスタートし、すでにJ2のリーグ戦を数試合経験しました。その中で「やれる」と感じたプレー、「まだ伸ばさないといけない」と感じたプレーは?
「運動量を生かしたプレッシングだったり、守備でチームにスイッチを入れるところだったりは、『やれるな』と感じています。それに、攻撃の部分では、パスを受けてからもう一度はたいて動き出すといった単純な動作は、ある程度やれている感触があります。でも、“自分の特長を出す”というところは、まだまだ課題ですね」

■目標は岡崎慎司と武藤嘉紀

―目標にしている選手、憧れている選手はいますか?
「目標の選手は二人いて、岡崎(慎司/レスター) 選手と武藤(嘉紀/マインツ)選手です。二人とも FWですけど守備もできる選手。自分もいろいろな部分でチームに貢献できてこそ良い選手だと思っています。岡崎選手の運動量はすごいし、自分もあのレベルまでいきたいです。武藤選手はFC東京のときに一人でカウンターをしたりしていましたよね。ああいうパワフルなプレーが好きですし、自分も目指し ています」

――二人とも、岩崎選手のプレースタイルと重なる部分がある選手ですよね。ずっとその二人に憧れていたのですか?
「二人を目標にし始めたのは高校ぐらいからです。 それ以前はずっと、中村俊輔選手 (磐田)に憧れていました。高校のときも、俊輔選手の蹴り方を参考にしてFKの練習をしたりしていました。軸足を遠い位置に置いて、重心の移動でボールを持っていく、みたいに」

■U-20W杯では 「やったるで!」

―U-20W杯での目標は?
「チームとして目指すところは、優勝しかないと思っています。でも、まずはグループステージが大事。個人としては、グループステージでしっかり得点を決めて、チームに貢献したいです」

―U-20W杯は世界への絶好のアピールの場にもなります。
「『やったるで!』という気持ちです(笑) 。若手が世界から注目されるという点では、たぶん五輪よりもU-20W杯のほうが上だと思いますし、そこで結果を残すことができれば、何かが起きるかもしれません。 少しでも自分を表現できればいいですね」

―岩崎選手は“東京五輪のエース候補”と表現されることが多いです。そういう評価をどう感じていますか?
「うれしいですよ。そういう報道を見るたびに自分でも意識をしますし、『頑張らなアカンな』というモチベーションになりますから」

岩崎悠人(いわさき・ゆうと)

1998年6月11日生まれ。滋賀県出身。172cm/69kg。JFAアカデミー福島U-15から中央中、京都橘高を経て、今季京都に加入。