優勝を決めたバイエルンのモチベーションは? ブンデスリーガは第31節を終え、残り3試合となったところでバイエルン・ミュンヘンのリーグ優勝が決まった。 残留争いでは、最下位ダルムシュタットが3連勝を飾り、今節も降格決定を回避。16位アウクスブ…


優勝を決めたバイエルンのモチベーションは?
 ブンデスリーガは第31節を終え、残り3試合となったところでバイエルン・ミュンヘンのリーグ優勝が決まった。

 残留争いでは、最下位ダルムシュタットが3連勝を飾り、今節も降格決定を回避。16位アウクスブルクは15位ハンブルクとの直接対決を4-0で制し、敗れたハンブルクは入れ替え戦圏に転落した。

 首位バイエルンを8ポイント差で追いかける2位ライプツィヒは、土曜日15時半キックオフの試合で17位ライプツィヒをホームに迎えた。試合を通して相手を攻め立てたライプツィヒだったが、最後までゴールを奪うことはできず0-0のスコアレスドローに終わった。

 勝てばリーグ優勝が決まるという状況で18時半キックオフの試合に臨んだバイエルンは、19分にDFダビド・アラバが直接FKを決めて幸先よく先生に成功する。さらに36分、45分とFWロベルト・レバンドフスキが追加点を奪い、3-0でハーフタイムを迎えた。

攻撃の手を緩めないバイエルンは、後半にもFWアリエン・ロッベン、FWトーマス・ミュラー、MFヨシュア・キミッヒがゴールを挙げて6-0で大勝。3試合を残して前人未到のリーグ5連覇を決めた。

 3冠を目指していたバイエルンだが、欧州チャンピオンズリーグ(CL)では準々決勝、ドイツ杯では準決勝での敗退し、失意の4月となった。今年も5月のリーグ最終盤にもつれ込む前にリーグ優勝を決めたとあって”楽勝ムード”や他のタイトルを逃したという失望感に包まれているが、「僕たちがブンデスリーガで成し遂げたこと、3試合を残して王者になること、継続的に進み続けるということは当たり前のことではないんだ」と主将のラームは5連覇の価値を語った。

 とはいえ、これでバイエルンの今季は実質的に終わり、残りは得点王を狙うレバンドフスキやあまり出場機会のなかった若手選手たちのアピールの場になる。そんなバイエルンの次節の対戦相手は、6位フライブルクに3-0で快勝し、追い込まれてからの3連勝で首の皮一枚降格を免れている18位ダルムシュタット。バイエルンはタイトルへのモチベーションがなくなり、これまであまり出場機会のなかった選手にチャンスが与えられることが予想されるため、希望をつなぎたいダルムシュタットにも十分チャンスはあると言える。


原口はチームを欧州の舞台に導けるか(写真:Getty Images)

武藤はゴールを記録もチームは敗戦
 2位ライプツィヒは5位ヘルタ・ベルリンとのアウェー戦に臨む。EL出場権獲得を狙うヘルタはいよいよ正念場。今節はアウェーで7位ブレーメンに敗れ、これでアウェー9連敗となった。しかし、ホームでは依然として強さを見せているだけに、何とか勝ち点を積み上げたいところ。FW原口元気はここ2試合、途中交代が続いている。

 16位アウクスブルクと15位ハンブルクの残留争い直接対決は、4-0でアウクスブルクが大勝し、13位に順位を上げた。MF酒井高徳がボランチとして先発フル出場し、FW宇佐美貴史がベンチ外となったこの試合は、立ち上がりからホームのアウクスブルクが攻勢を仕掛け、ハミト・アルティントップの2ゴールでアウクスブルクが2点リードで折り返す。ハンブルクはその後も立て直せず、後半も2点を失った。

 アウクスブルクは次節ボルシアMGと対戦。ドルトムント戦、ホッフェンハイム戦と残りはいずれも上位チームとの対戦になるため、非常に大事な3ポイント獲得となった。

 一方のハンブルクは次節ホームでのマインツ戦と下位対決が続く。ボルシアMGをホームに迎えたマインツは、FW武藤嘉紀が後半ロスタイムにゴールを奪ったが1-2で敗戦。試合終了間際には背後に抜け出した武藤が再びネットを揺らしたが、オフサイドの判定で追いつくことができなかった。前回のホームゲームはダルムシュタットに敗れたハンブルクだが、ホームでは強さを発揮しているだけに、勝ち点3を掴んで自動残留圏に脱出したいところ。マインツとしては引き分けでも決して悪くはないだけに、何としてでも負けは避けたい。

《文=山口裕平》