昨年のAFC・U-19選手権では準決勝のベトナム戦を除いた5試合に先発フル出場し、日本の無失点優勝にも大きく貢献したDF中山雄太。現在は所属チームの柏でもCBを務めているが、どのポジションもハイレベルにこなすユーティリティープレーヤーで、…


 昨年のAFC・U-19選手権では準決勝のベトナム戦を除いた5試合に先発フル出場し、日本の無失点優勝にも大きく貢献したDF中山雄太。現在は所属チームの柏でもCBを務めているが、どのポジションもハイレベルにこなすユーティリティープレーヤーで、そのポテンシャルは計り知れない。5月末開幕のU-20W杯では、日の丸を背負って戦うと同時に、世界舞台で自らの可能性を問う。(取材・須賀大輔/エル・ゴラッソ柏担当)

■自分の強みは何かと言えば、それは攻撃

―昨年行われたAFC・U-19選手権では無失点で優勝しましたが、中山選手は「世界に出た際には失点につながってしまうミスもあった」と話していました。あれから、どのようなことを意識して練習に取り組んできましたか?
「アジアでの戦いを経験して、個の部分で(ボールを)奪い切る能力やデュエルの部分で成長したいと感じ、あれから努力してきました」

―柏には強力なブラジル人選手がいて、普段の練習からデュエルの部分では感覚を研ぎ澄ますこともできると思います。
「圧倒されることが多いので、いまはそれが成長の糧になっています。でも、練習からディエゴ(・オリヴェイラ)やクリス(クリスティアーノ)、ハモン(・ロペス)と対峙しても『全然平気だよ』というレベルになっていかなければいけません」

―複数のポジションをこなせる中山選手ですが、「CBとして攻撃面でチームに貢献するのは最低限であり、守備で貢献していきたい」という言葉もすごく印象的です。CBの多くの選手は反対の考えを持っていると思いますが、その真意を教えてください。
「捉え方だと思いますし、どちらが良いとは自分には言えません。でも、自分の強みは何かと言えば、それは攻撃です。一般的にCBとしては守備ができることが最低条件ですけれど、自分としては守備が課題だと思っています。そういった意味で攻撃がベースで、守備でもっと貢献していきたいです」

―日本代表で参考にしている選手はいますか?
「いろいろな選手を見ていますが、CBでは森重選手が足元もうまくて守備も強いので、自分が目指すべきスタイルと同じような系統だと思い、参考にさせてもらっています。それから、長谷部選手や原口選手の攻守にわたるプレーは参考になります」

―ポジションが異なる原口選手のどのような部分を参考にしているのですか?
「90分をとおしての集中力です。あとは守備の部分というか、デュエルの部分では負けていないことが多いので、そういう部分を参考にしています」

■U-20W杯は自分のサッカー人生の分岐点

―個人、チームとしての目標を教えてください。
「まず個人としてはしっかりメンバーに入って、なおかつ先発でプレーしたいと、あらためて強く思いました。チームとしては、出るからには優勝を狙っていきたいです。対戦相手からもアジアチャンピオンとして見られると思いますが、それは過去に出場した大会ではなかったことです。だからアジアチャンピオンの自覚も持ちながらプレーしたいと思います」

―このU-20W杯が終わると、東京五輪に向かっていくことになると思います。自国開催の五輪への意識はありますか?
「自国開催というのはプラスαでしかありません。U-20も五輪もそうですけど、年代別の大会に出ることは自分のサッカー人生が変わっていく要素になります。今回のU-20W杯も自分のサッカー人生で大きな分岐点になるような大会だと思います。自分が23歳で五輪に出られる年代にいるのは本当にラッキーだと思います。それでも、そのチャンスをつかむのは自分次第だし、チャンスをつかめなかったら良い選手にはなれないというふうに考えています」

中山雄太(なかやま・ゆうた)
1997年2月16日生まれ、20歳。埼玉県出身。181cm/76kg。柏U-15から柏U-18を経て15年にトップチームに昇格。